メトロポリターナ編集部の自称「カメラ女子」が、ベテラン写真家しょうめい先生に弟子入りし、撮影術を実践で学ぶステップアップ連載。前回に引き続き、鎌倉の撮影日記をお送りします。
明月院ブルーでとして有名なアジサイを十分に撮影し、石段を登ると本堂にたどり着きます。実は、明月院はショウブも見どころの一つ。この日は本堂奥の庭園がのぞく「悟りの窓」を背景に、ショウブの花がすてきに生けられていました。
花と丸い窓の組み合わせが雅(みやび)な雰囲気を漂わせ、いい感じ!早速、学んだばかりのボケを出そうとF値は「4.5」と小さめにし、室内なのでシャッタースピードは「1/80秒」と遅めに設定してみました。

確かに、ボケ感はでたのですが、ピントがショウブよりも少し奥に合っている気が…。
「F値を小さくするとボケが出る分、焦点の合う範囲が狭くなるので、どこにピントを合わせるのかをちゃんと意識しよう」と先生。冒頭のお手本の1枚はF値が3.5とわたしより小さい設定でも、ピントが花にきちんと合っていることもあり、丸窓のボケとの対比が美しい。
そこで、前回学んだF値と今回のポイントであるピントの重要性を実感できるよう、先生が円覚寺内に並ぶ百観音地蔵を対象に比較して撮影してくれました。

比べてみると①の写真が、被写体を一番際立たせているのに気がつきます。③だと全体にピントが合いすぎていて写真としては面白みに欠ける?スマートフォンで撮るとこういう感じになる気がします。
ピントをどこに合わせ、どこを”ぼかす”のか。基本中の基本ともいえるピントの調整も、ボケを出すことでより意識しなければいけません。手前のものをわざとボケさせたりするとプロっぽい気分が味わえます。スマホにはない、一眼レフだからこその醍醐(だいご)味とも言えるかもしれません。
テーマにピントが合っていない写真ほど悲しいものはありません。色んな数値にとらわれて基本を忘れかけていました。
危ない、危ない。だって”推し”のアイドルを撮影するなら、本人にピントが合っていることは絶対!どんな写真でもブレは許されません(しかも対象は動いていることがほとんどだし)。初心に立ち返り、思いを新たにしたひとときでした。
その後、海岸へ移動し、海岸沿いやサーファーなどフォトジェニックな対象を撮影。その後は夜の鎌倉に繰り出し、おいしいお酒とご飯を堪能!半日にわたる楽しくも厳しい撮影を締めくくりました。少しずつですが、マニュアルで撮ることにも徐々に慣れ、表現の幅が広がってきた気がします。よりステップアップして、また鎌倉を撮りに来ようと思います。
※カメラ女子への激励や、しょうめい先生に教えてほしいことなどご意見・ご感想を募集します。編集部(question@metropolitana.jp)までどしどしお送りください!


しょうめい先生 新聞社で報道写真を撮り続けて40年以上のベテランカメラマン。ライフワークとして鎌倉の景色を撮り続けるほか、某大学芸術学部の写真学科で講師も務める。鎌倉ドローン協会の理事の肩書きを持ち、最新の撮影グッズにも精通している。
Illustration:Nozomi Yuasa
※隔週水曜掲載