友人や家族と過ごす一時、旅先の景色、グルメなど大事な思い出を残すために写真は欠かせません。スマートフォンがあれば誰でも手軽に撮影できる時代ですが、もっときれいに撮りたい!。そんな思いから一念発起し、一眼レフを購入したメトロポリターナ編集部の自称「カメラ女子」のわたしが、社内のベテランカメラマンしょうめい先生に弟子入り。”推し”の韓国男性アイドルを美しく撮影する日を夢見て、撮影技術の習得を目指す修行記を隔週連載します。
記念すべき初回はお花見の名所、千鳥ケ淵をめぐり、ステップアップに向けた課題を診断してもらいました。
何を撮りたいか、どう引き立たせるか
東京の開花宣言から約1週間後の3月下旬。日中の最高気温は19度と春らしい午後の陽気のなか、靖国神社から千鳥ケ淵に続く桜並木を訪れると、多くの人でにぎわっていました。
撮影にはうってつけのタイミング!と、必死でシャッターを切ります。桜はもちろん、花を見上げスマホをかざす人々、ピンクに染まる背景の中で赤ちゃんをあやす夫婦、のどかなお堀…など周りにはフォトジェニックなものがいっぱい。なかでも、桜に覆われたお堀に浮かぶボートは、春の訪れを感じる光景として、多くのSNSに投稿されていました。
まず張り切って1枚。桜とカラフルなボート、都会的なビルを収めてコントラストを狙いましたが、実際の景色よりもややインパクトが薄い感じが…。

わたしの1枚は桜のほかにも、お堀の緑やボート、それを囲むビルなど撮りたいものを詰め込んだ。
それを見ていた、しょうめい先生が優しく一言、「桜の構図に占めるボリュームを上げてみよう。例えばこんな感じ」

しょうめい先生のお手本の1枚。桜が写真全体をおおい、美しさが強調されている。
あれ?同じ場所から撮ったのに全然違う…。
わたしの最初の写真はとにかくいろいろな要素を入れようと”欲張り”になってしまっていて、それぞれの対象が引き立っていなかったんですね。ハッと目を引く写真は一にも二にもまず「構図」ということを痛感しました。
「まず、何を一番撮りたいのかをハッキリさせることが大事。撮りたいものを多く入れる構図にして、省けるものはなるべく省く。場合にもよるけど、メーン(の撮影対象)が写真全体の6~7割を占めるようにするとバランスが良く見えるね。1対1の割合だと強弱があまりつかなくて面白みに欠ける写真になってしまいがち」としょうめい先生。
思い通りの1枚が撮れないのは「技術がないから」とあきらめていましたが、少し視点を変えた構図にすることでぐっとプロに近付けるとは!
「あとはメーンの対象に焦点を絞り、それ以外を”ぼかす”などうまく処理するともっと表現の幅が広がるよ。今回は桜がメーンで、ボートはその次。桜を引き立てる対象として処理するのがいいね。だから割合としては2割くらいがいいかな」
まずは何を撮りたいか、それをどうやったら引きたせられるのか―構図を考えながら撮るという課題が分かりました。

しょうめい先生が撮影したカット。背景をぼかすことで、メーンの桜を際立たせている(上)先生のアドバイスに習って撮った1枚。もう少し桜の割合を増やせるかも(下)

次回は、一眼レフを購入した多くの人が持つ悩み、写真の明るさを決める「露出」を課題として取り上げます。
(おまけ)スマホと撮り比べしてみました!
初回なので一眼レフとスマホで”撮り比べ”をしてみました。いまではプロもスマホで写真を撮るほど、技術は進化しています。じゃあ、重くて、設定も面倒な一眼レフなどいらないのでは?いやいや、一眼レフにはカメラの良さが詰まっています。
まず、プロっぽい写真の特徴とも言える”ぼかし”です。写真アプリなしのスマホでもかなり強弱がつけられると思っていましたが、望遠レンズで撮るとその差は歴然。対象を際立たせる絶妙なぼかし具合です。
スマホのぼかしは、対象と背景のバランスを取りすぎ、撮りたいテーマが際立ちにくくなっていると感じました。

スマホで撮影しても背景は”ぼかし”が入る(上)が、一眼レフで撮影すると、手前のおみくじがより際立って見える(下)

次に遠くの対象まで迫れるズーム。購入した一眼レフは、無難にダブルレンズキットを購入しました。でも、旅行に持っていくには重いし、全体が撮れればいいと思っていつも18~55㎜の標準レンズを装着しっぱなし。今回初めて300㎜(35㎜換算で8.6倍)までズームできる望遠レンズに挑戦してみました。
まず、レンズの取り外し方を教えてもらいましたが、慣れていないので落としてしまい、傷が付いていないかとあたふた。でも、使ってみると、当たり前なのですが「こんなに遠くまで見えるの!?」とワクワクしました。
いつの日か望遠レンズで推しのアイドルにズームし、きれいな写真が撮れれば一生の宝物間違いなし!と妄想が膨らみます。
カメラで学んでいくことは山ほどありますが、最高の1枚を撮りたい!と思いを新たにしたひとときでした。


しょうめい先生 新聞社で報道写真を撮り続けて40年以上のベテランカメラマン。ライフワークとして鎌倉の景色を撮り続けるほか、某大学芸術学部の写真学科で講師も務める。鎌倉ドローン協会の理事の肩書きを持ち、最新の撮影グッズにも精通している。
Illustration:Nozomi Yuasa
※隔週水曜に掲載