近年、ビールの消費量が低迷している中で、右肩上がりに売り上げを伸ばしているのがクラフトビールです。しかも、「ビール離れ」が特に進んでいる若者を中心に人気が出ています。中でも、20代女性の関心度が高いよう。なぜそれほどクラフトビールが人気なのでしょうか。
「ラベルがかわいらしいので、テーブルに置いてスマホで撮るとフォトジェニック。また、クラフトビールは限定品も多いので、その特別感も若い人の気持ちを惹きつけるのでは」と話すのは、都内の居酒屋「肉バル×クラフトビール 有楽町店SORAバル」(千代田区)の中和亮店長。この店では、なんと客の9割が女性だそうです。
約50種類のクラフトビールを提供しており、中でも、一番人気は、専用の樽から注ぐJ-CRAFTシリーズの“ペールエールIZU SHUZENJI”。「ホップの味がして、ふくよかで香りがよく、のどごしがいい。生酵母なので生中の生でおいしい」とのことです。

一般的に、ビールは醸造所から、常温で飲食店やスーパー、コンビニなどに輸送されます。この常温輸送では温度が上がると酵母の発酵が進み、ビールに雑味が出てしまうため、できあがったビールを容器に詰める前に酵母をろ過しておきます。
ただし、これではせっかくおいしいビールが醸造所で製造されても、消費者が飲むときには、その風味やおいしさをそのまま味わうことができません。J-CRAFTシリーズ(三菱食品、6種類)は、10度以下で保存したまま輸送。酵母をろ過しないクラフトビールが、醸造所のおいしさそのままで、飲食店などに届きます。
“ペールエールIZU SHUZENJI”は、ビールの苦みがちょっと、という女性でも飲みやすいです。さわやかで、わずかな甘みとフルーティさがあり、ラム肉の料理などと一緒に飲むのがオススメです。


この“ぺールエール”を製造している醸造所「ベアードブルワリーガーデン修善寺」は、豊かな自然で知られる静岡県の伊豆・修善寺にあります。そばに一級河川の狩野川が流れ、元オートキャンプ場だったという広々とした緑豊かな敷地に建っています。
J-CRAFT以外にも、多くのベールブルワリーオリジナルのクラフトビールを製造し、一般の人が訪れ、醸造所内の見学(無料)やタップルーム(ビールの注ぎ口がある部屋)で好きなビールを飲むことができます(有料)。


創業者は、アメリカでビール醸造を学んだベアード・ブライアンさんと妻のさゆりさんです。2000年に、2人の夢だった小さな醸造所を、静岡県沼津市でスタート。当時の1回の仕込み量は30リットルとわずかでしたが、今では6000リットルにも。
醸造は、できるだけ加工されていない国産の原材料、麦芽、生ホップ、地元修善寺の井戸水を使います。無ろ過で非加熱、たるや瓶内で2次発酵・熟成し、炭酸ガスは人工的には加えません。


ベアードさんは「大手ビール会社のビール作りで大切なのは一貫性と統一性です。一貫性とはいつでもおいしいということで、この醸造所でも大事なことです。しかし、統一性とはいつでも全く同じ物を提供するということですから、これは僕の考えとは違います。ここのビールは生きているので熟成度、温度などによって微妙に変わってきます。いつでも同じ物ではない」と語り、「万人受けするビールでなく、個性的なビールでありたい」ときっぱり。そんなこだわりのビールは、定番品11種類と季節限定品を合わせ、約40種類もあります。それらビールのラベルもまた、一つ一つ個性があるものとなっています。タップルームや廊下の壁には、日本人アーティストによるラベルのイラストが、額に入り飾られています。



ビール造りに情熱を注ぐベアードさんは「クラフトビールは個性で勝負するビールです。人間もそれぞれ個性が違うでしょ。今後も自分の個性を発揮するというスピリットでやっていきたい」と語ってくれました。


肉バル×クラフトビール 有楽町店SORAバル
所在地:千代田区有楽町1-2-11 オーキッドスクエア 8F
営業時間:17時~24時
無休
ベアードブルワリーガーデン修善寺
所在地:静岡県伊豆市大平1052-1
営業時間:月曜~金曜 12:00~19:00/土・日・祝日 11:00~20:00
無休
ブルワリー見学ツアーは毎週末実施