ダークな世界観で独創的な作品を次々に生み出してきた〝異形〟のダンスカンパニー「DAZZLE」(ダズル)が、昨年初上演して大好評だったイマーシブシアター「Touch the Dark」を11月22日から再演します。しかも、例の廃病院を舞台とする公演は今回が最後となるそう。廃病院のクローズが決まったからです。
イマーシブシアターとは、没入型、参加型公演のこと。観客は席に座って鑑賞するのでなく、自分の意思と足で演者に導かれながら会場内を自由に移動してさまざまな場所で繰り広げられるパフォーマンスを体感します。

昨年上演した「Touch the Dark」の1シーン。待合室で開演を待つときから公演は始まります
昨年8月の初演で大好評を博し、2カ月後の再演時にはチケットが発売と同時にソールドアウトになってしまいました。その後DAZZLEは、東京ワンピースタワーでの「時の箱が開く時」や京都・岡崎での「宵闇夜行」といったイマーシブ形式の作品を立て続けに制作し上演してきました。そして今回は待望の再演となりました。


1回の公演につき観客数を最大でも63人に限定、DAZZLEのメンバー9人に加え毎回10人以上のゲストパフォーマーが濃厚かつ贅沢な体験を提供してくれます。
廃病院が公演の舞台となっていたので、病院特有の手術室や医務室、病室などに導かれ、そこで繰り広げられるダンスや芝居や環境の中に、実はストーリーの秘密をひもとく謎が隠されています。

同時にDAZZLEのダンスのスキルの高さや計算し尽くされた完成度の高い立体的な群舞を間近で見ることができます。手を伸ばせば届きそうなところで行われるパフォーマンス、演者の息づかいや汗をも感じることができます。


再演にあたってはDAZZLEの主宰者、長谷川達也さんはブログの中で「初演時から今回の再々演へと、シーンは少しづつ増えていて、パフォーマンスだけではない、院内に散りばめられたメッセージや、隠されたエンディングなど、毎回少しづつ変化があり、終わることがない」といいます。
最後となる今回の上演。あの病院の結末を見届けてください!

昨年上演した「Touch the Dark」の1シーン。すべてのシーンを見ることは不可能。ですから何度でも体験したいと思わせてくれます
(写真&文 田中幸美)
◆イマーシブシアター「Touch the Dark」は、11月22日(木)〜12月2日(日)の全30公演。場所は新宿に近い東京都渋谷区内の廃病院で、チケット購入者に場所を知らせます。チケットは、平日及び土日祝日、あるいは開演時間によって一般席7000~9000円、特別な体験ができるプレミアム席1万~1万2000円。公演特設サイトで完全予約販売。http://www.touchthedark.jp/