フェンス［目が離せない、このドラマ］

2023.03.10 映画/ドラマ, PR

忖度なしの社会派作品に目が離せないミステリー。WOWOWのドラマは、おもしろい。この春注目の作品をインタビューとともに紹介！

フェンス

3月19日（日）放送・配信開始
毎週日曜午後10:00
※第1話無料放送（全5話）

STORY

　雑誌ライターのキーこと小松綺絵（松岡茉優）は、米兵による性的暴行事件の被害を訴えるブラックミックスの女性・大嶺桜（宮本エリアナ）を取材するために沖縄へ向かう。桜の供述には不審な点があり、事件の背景を探る必要があったのだ。米軍基地の門前町・通称コザを訪ね、桜が経営するカフェバーMOAIへ行き、観光客を装って接近。桜の祖母・大嶺ヨシ（吉田妙子）が沖縄戦体験者で平和運動に参加していることや、父親が米軍人であることを聞く。

脚本と現場で存分に感じた役者への温かな期待と信頼

　制作発表時から大いに話題を集めている『連続ドラマＷ　フェンス』。『アンナチュラル』や『ＭＩＵ４０４』で知られる人気脚本家・野木亜紀子が沖縄を舞台に、性的暴行事件を真正面から描く物語だ。真相を追うバディ役を任されたのは、松岡茉優と本作で俳優デビューを果たす宮本エリアナ。いま、この作品がつくられる意義と表裏一体の重圧――。ふたりが、期する想いを語る。

小松綺絵役 松岡茉優

これまでにない役との出合い

　「今回の台本を拝読して、セリフの言い方や捉え方で伝わり方が全く変わってしまうような言葉がたくさんありました。野木さんが俳優に託してくれているものが大きいなと感じたので、私自身がどういう思いを持っているか、役の言いたいことを捉えられているのか、向き合うことが必要でした」

　そう吐露するのは、東京から来た雑誌ライターのキーこと、小松綺絵を演じた松岡。社会的な問題を追及する内容はもちろん、会話シーンでも相手にかぶせたりとスキルを要するシーンが盛り込まれており、テンポ感を大切に演じたそうだ。

　「クランクインの前に野木さんとお会いした時に、『人と人をつなぐ〝キー〟になってほしい』という言葉をいただきました。プロデューサーさんや野木さんをはじめ、このドラマを作ろうと動き出された方々の思いを受け取って、改めて身の引き締まる思いでした」

　対する桜役の宮本エリアナも、制作陣の期待に呼応したひとりだ。「ただでさえお芝居自体が初めてで、沖縄なまりも表現せねばならず難しかったです」と語るも、その目は充実感に満ちている。

大嶺桜役 宮本エリアナ

　「私は元々俳優志望で、当時のマネージャーと色々な撮影現場や制作会社に挨拶回りを行っていたのですが、返事はいつも同じ。『役がありません』でした。オーディションすら受けられなかった。ブラックミックスの子がメインのキャラクターに選ばれるのは国内ドラマでは初めてのことだと思いますし、とにかく嬉しかったです」

ＷＯＷＯＷだから出来た作品

そして両者が口をそろえるのは、ＷＯＷＯＷならではの企画と制作環境。

　「時間をかけて撮ってくださると聞いていました。お金を払って観てくださる視聴者の方がいるからこそ、あまり描かれない世界などに挑戦できるのだと感じます」

　制作サイドの視点で俯瞰する松岡に対し、宮本は「確かに。ドキュメンタリー番組でもここまで踏み込んだ言葉は観られない気がします。ＷＯＷＯＷさんだから出来ることですよね」と頷く。そのうえで印象的だったのは、現場で抱いた心地よさだという。

　「今回のチームが素晴らしくて、演技が初めての私がミスしてしまっても『大丈夫だよ』とみんなが言ってくださるんです。皆さんに助けていただきながら、自分なりのお芝居ができたかなと思っています」

PRODUCER COMMENT

　これまでもWOWOWは社会問題を扱ったドラマを多く制作しており、そのDNAが間違いなく本作にも流れている。基地問題、地位協定、性被害問題は描くことが臆されるテーマであり、多くの人々が目を向けてこなかった題材。だからこそ描くべきだと思った。また、主人公の1人にブラックミックスである宮本エリアナさんをキャスティングできたことも、WOWOWだからこそ挑戦できた大変意義あることだと感じている。

　本作は政治的メッセージを伝えたいわけではない。描いているのは沖縄の現在であり、沖縄で生きるさまざまな立場の人たちである。膨大な取材を基に、それを可能な限り実現した。今そこにある問題に苦しむ人も、戦っている人もいる。しかし、それは沖縄に限ったことではなく、社会的な問題の下には必ずそのように生きている人たちがおり、そのような人たちに思いをはせ、考えることが諸問題の解決につながるはずだと考えている。一人でも多くの方に本作を見ていただき、そのきっかけになればと思う。

（プロデューサー　高江洲義貴）

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