働き方が多様化する今、多くの企業では、個人のさまざまな事情を尊重し、誰もが自分らしく働ける環境づくりを重視している。会社の制度を利用して幼いころからの夢を叶えたのは、オリエントコーポレーションの白井真希子さん。日々の暮らしにどんな変化があったのか。コーヒーブレイク中に話を聞いた。
子どものころの夢が
17年越しに目の前に
父親は刑務官。その影響もあって、白井さんは幼いころから法律に興味があり、法学部に進学。司法浪人をして司法試験合格を目指していた。
「大学入学後、『家栽の人』というマンガを読んで、繊細な問題も温かく包み込む裁判官に憧れたんです」
しかし、2006年から司法試験制度が変更され、受験資格として「予備試験合格」か、「法科大学院の修了」が必要に。より合格のハードルが高くなり、白井さんは司法試験への道を断念。総合金融サービス業である現在の会社に就職した。
「必要な資格の勉強を重ねると、必ず法律に行き着く。『やっぱり法律に関わりたい』という気持ちがくすぶっていました」
そこで利用したのが、「ジョブポスティング制度」だ。
「希望部署への異動を応募できる制度で、現在は異動や配置の際は原則的に利用されています。憧れていた裁判官と、今の企業法務の仕事はまったく違います。でも想像以上に面白い。なにかあると、つい『割賦販売法が〜』なんて、専門用語を言いたくなっちゃう(笑)」
法務部へ異動して10年を目途に、白井さんはある決意をした。
「実は法務部に異動後も予備試験は受けていたんです。でも繁忙期には残業することもあり、フルタイムで働いているとなかなか難しく、合格には至りませんでした。そこで、法科大学院に通おうと思いました」
2023年、法科大学院に無事合格。しかし、受験のことは誰にも明かしていなかったという。
「会社にどう報告しよう、仕事はどうしようと悩んでいたら、上司から法科大学院を勧められたんです。『今しかない!』と思い、合格を伝えたら驚いていました。そこで『サバティカル休職制度』を教えてもらったんです。制度を利用してできた時間は、とにかく勉強に使いました。時間の使い方は自分次第なので、仕事中以上に自分を律することが必要でした。」
2025年、ついに司法試験に合格した。会社の制度をうまく活用すれば、幼いころの夢を叶えることもできるのかもしれない。
白井真希子(株式会社オリエントコーポレーション)
2007年に入社し、債権回収業務に携わる。14年に法務部へ異動。カード・ペイメント部門やビジネスプロモーション部門を中心に、法律相談や契約審査業務に従事。2024年4月からは法科大学院へ進学し、2026年3月に卒業予定。
利用している取り組み「サバティカル休職制度」
長期勤続者に対し、リフレッシュ、研究、自己研鑽(学び直し)などを目的に事由を問わず一定期間の休暇が取れる制度。多くの社員が利用している。

ともに学ぶ“同級生”は20代ばかり
久しぶりの学生生活で感じた“意外な効果”
社会人だけでなく、大学卒業後すぐに進学する学生も多い法科大学院。若い世代の“同級生”と交流することで、部下や後輩とも距離感が近づき、ナチュラルに接することができるようになったそう。“民法の聖地”と呼ばれる宇奈月温泉への卒業旅行を計画中。

私のリラックスできる場所

Uni.Café125
住|新宿区戸塚町1-104 早稲田大学大隈講堂脇
営|8:30~19:30 ※ラストオーダー19:00
休|土日祝日も営業 ※夏期/年末年始を除く
目の前に大隈庭園が広がるこのカフェは、白井さんのリラックススポット。学生だけでなく、近隣住民からも愛されている。スコーンなどスイーツも充実していて、チョコレート好きな白井さんは、授業や自主勉強の合間、ひとりでホッとしたいときに訪れるそう。