ルチアーノ風のイイダコのトマト煮 ©Waki Hamatsu

《参宮橋》イタリアへの熱い想いを持ち続けるシェフの直球な料理

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 小田急線の参宮橋駅から数十歩という、とても便利な場所にあるのが「イル・ヴィスキオ」です。

 この小さいながらも洒落たレストランのオーナー・シェフ 中田淳さんの料理はストレートにイタリアを思わせるものばかり。メニューには、イタリアの地名が名前に入った料理が並んでいます。

イタリアで充実した時間を過ごした中田淳シェフ ©Waki Hamatsu


 今年の冬の寒い夜には、黒キャベツや何種類もの野菜を炒めてから、じっくりと2時間も煮込んでつくるトスカーナ風の野菜スープ「カーボロ・ネロ」や、ボローニャ風のラザーニャ「ラザーニャ・アル・フォルノ」が人気でした。

 イタリアで修業したことをアピールするシェフは東京に沢山いますが、中田シェフは、イタリアでの経験を「遊んでただけなんです」と謙遜します。

 ペルージャでは地元のチームで活躍していた同じ苗字の日本人サッカー選手の従兄と触れ回ったあげく地元の新聞の一面を飾ったり、ナポリでは日本語を学ぶイタリア人の学生たちと飲み歩いたり・・・。だからこそ?! 中田シェフからはイタリア料理についての面白いエピソードを聞くこともできます。

 例えば、日本でも人気のナポリ発祥の娼婦風スパゲッティ。このイタリアでは「スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ」と呼ばれる一皿の名前の由来に関しては、インターネットで調べれば幾つもの説を見つけられます。

 実際に中田シェフが、イタリア人の仲間に娼婦(プッタネスカ)の由来を尋ねても、答えは十人十色。中田シェフの友人たちは誰もが大袈裟なジェスチャーとユーモアを交え、どうして娼婦風と名前がついたのか説明して、自分の説こそが正しいと真顔で語ってくれたそうです。

 そんな情熱に触れた中田シェフは、このスパゲッティの存在はイタリア人の心の中で限りなく大きいものであると実感したそうです。

 また、2016年8月にパスタソース「アマトリチャーナ」のルーツとして知られるイタリア中部のアマトリーチェが地震で大きな被害を受けたときには、パンチェッタと、中が空洞になったパスタ、ブカティーニを使った中田シェフならではのアマトリチャーナを食べてくれた人が募金に協力。シェフは集まった募金と一緒に同じ額の売上金を被災地へ送っています。

 ぜひ、そんなイタリアへの熱い思いを持ち続けている中田シェフの直球なイタリア料理を、参宮橋駅の隣にあるイル・ヴィスキオで味わってください。

小さいながらも洗練された店内 ©Waki Hamatsu


イル ヴィスキオ

03-5309-2366

渋谷区代々木4-6-5 A&U 1F

http://www.eatpia.com/restaurant/il-vischio-sangub...






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