『滝』1961年 現実にはありえない水の流れ

≪上野≫ミラクル エッシャー展開幕!


 錯視によるだまし絵(トロンプ・ルイユ)で「視覚の魔術師」と呼ばれるオランダの版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)。生誕120年を記念して、「ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの謎」が上野の森美術館で開幕しました。

 コンセプトは、「エッシャーがエッシャーになるまで」。建築不可能な構造物を描くなど唯一無二の作品を生み出す過程を、年代順にたどるのではなく、8つのキーワードを通して紐解いていきます。展示は幾何学的な表現を取り上げる「科学」や、キリスト教を主題にした「聖書」などキーワードごとに色合いが移り変わっていきます。鑑賞者はいつのまにかエッシャーが大作『メタモルフォーゼ』で表現した『循環』の世界に引き込まれていきます。

『メタモルフォーゼⅡ』1939-1940年 文字から始まりさまざまな形態が変容しながら循環し続け、やがて最初の文字に戻る

 本展では、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館の所蔵作品から、約150点を日本初公開。保全の理由から常設展示されていない作品も見ることができる貴重な機会になります。また、ナビゲーターを務めるのはお笑いから脚本まで幅広い分野で唯一無二の世界観を表現しているバカリズムさん。音声ガイドにも初挑戦し、楽しく、分かりやすく独特な世界へ案内してくれます。

 会場では、来場者を最先端のデジタル技術で代表作『相対性』(1953年)の中に合成する体験型映像コンテンツ「ミラクル デジタル フュージョン」も。

『相対性』1953年

 “版画”にこだわり続けたエッシャー。デジタル時代の今だからこそ、その偉業に驚かされること間違いなし。東京では、約12年ぶりに開催される大規模展覧会で不思議な世界を体験してみてはいかが。


生誕120年 イスラエル博物館所蔵

ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵

開催期間:7月29日(日)まで

開館時間:10:00~17:00/毎週金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)

開催場所:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)

http://www.escher.jp/


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