東京おでんスタイル。[おいしいおでんが食べたい!]

グルメ, おでかけ

 立ち飲み、屋台、背筋の伸びるカウンター。スタイルはなんであれ、おでんの周りにはいつも人が集まっている。今日はどんな気分で行く?


下町で受け継がれる先代の味

受け継がれる老舗の伝統と
少しだけ大きくなったおでん

 JR神田駅から徒歩2分ほどの路地に佇む、昭和2年創業の老舗〈尾張家〉。まだ宵の口から暖簾の向こうに次々と客が吸い込まれ、磨き込まれたコの字カウンターの内側では、おでんが狭そうにひしめき合う。だしはカツオと昆布、煮干しを合わせ、白醤油で味付けした関西風。先々代が考案し、「先代よりおいしくなったと思う」と笑う3代目の寛さんまで、脈々と受け継がれている。ひき肉は人形町の〈日山〉、豆腐は内神田の〈篠崎豆腐店〉と、仕入れ先との関係性も創業時から変わらない。「俺の手が大きいから、どんどん大きくなっちゃった」という名物のロールキャベツや、しらたき、鶏肉、インゲン、干し椎茸がぎゅっと詰まった「袋」など、おでんはどれもパンチのあるボリューム。その規格外な大きさに、寛さんのサービス精神がそっと現れている。

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下茹でして1日以上じっくりと味を染み込ませる大根や、常連に人気の豆腐などおでんは常時20種類ほど。値段表記がないのは「書く気がないだけ」と寛さん。

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ロールキャベツや袋など、おでんは一つでもかなりの食べ応え。お腹と相談しながらオーダーを。

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3代目の長江寛さん。常連、一見の隔てなく、冗談を言っては客を楽しませるサービス精神の持ち主。

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おでんと並ぶ看板料理は、豊洲から仕入れる寿司屋顔負けの刺身。その活きのよさも老舗のなせる技。

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尾張家
住|東京都千代田区鍛冶町1-6-4
電|03-3251-4320
営|11:30~13:00、17:00~21:30
休|土・日曜、祝日


飲み屋&屋台でカジュアルに

スタンド形式でサクッと味わう
さつま揚げとピリ辛だし割り

 創業70年近くを迎える赤羽の名店。スタミナ揚げや五色揚げなどの各種さつま揚げとともに楽しみたいのは、客のリクエストから始まった「だし割り」。ワンカップの日本酒をオーダーし、3分の2ほど飲んだところでだしと七味を+50円で足してもらえる。滞在制限時間は20分なので、飲み切る自信のない人は最初から「完成だし割り」を注文しよう。

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おでんセット1000円。ドリンクはビール、酎ハイ、日本酒などから選べる。日本酒はさいたま市〈小山本家酒造〉の丸眞正宗で、もとは赤羽の〈小山酒造〉で造られていた。

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平日でも多いときには5~600個ほど、週末はその2~3倍の数のおでんが出るという人気店。さつま揚げは工場で魚をさばいてすり身にするところから始まる。

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丸健水産
住|東京都北区赤羽1-22-8
電|03-3901-6676
営|10:30~21:00、月曜12:00~売り切れ次第終了
休|水曜


街の人びとに開かれた
屋台という名の集会所

 蔵前のリバーサイドを一本入った路地に、週末だけ現れるおでん屋台。スカイツリーを眼前に望む6階建ての川沿いのビルは、店主の佐々野さんが惚れ込み25年ほど前に購入した。「周辺に気軽に食べられるおでんの店がなかった」と、15年ほど前からビルの1階でこのスタイルをつづける。屋上ではバーベキュー、2階の室内では宴会とカラオケが可能。

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女将のさっちゃんの手料理は、お客においしいと大人気。しかも全て500円。だし割りは2杯で500円。おでんの具材の旨みを凝縮させ、カツオ、昆布、しいたけでとっただしは甘みたっぷり。

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かつては台東区の有名な玩具メーカーで、数々のヒット商品を開発した佐々野さん。来た人を楽しませるのが大好き。もちろん楽しい会話は無料。

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ささのや
住|東京都台東区駒形2-1-13 AMSビル
営|13:00頃~
休|土・日曜のみ営業


スパイスでおでんを新解釈

和食とエスニックのバランスが際立つ
スパイスおでんの愉しみ

 “スパイス飲み”界隈で注目を集める同店は、特製カレーソースで味わう串かつが名物だが、実は、独創性に富んだスパイスおでん盛りも絶品だ。コリアンダー、チリペッパー、山椒などのスパイスをブレンドしたマサラをカツオだしで割ったスープと、和風のおでん種が見事に融合した新感覚のひと皿。スパイスを軸に異文化が交差する大傑作だ。

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この日のおでん盛り(1500円)はスープの色まで染み上がった大根に手羽先、こんにゃく、うずらの玉子、がんもどき。ペアリングはソーヴィニヨンの白ワイン(700円)で。 

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かれー串かつ キダムマサラ
住|東京都世田谷区祖師谷3-1-17 2F
電|050-1516-5995
営|火・木・金 17:00~24:00(L.O. 23:00)/水 11:00~15:00(L.O. 14:30)、17:00~24:00(L.O. 23:00)/土 12:00~24:00(L.O. 23:00)/日 11:00~17:00(L.O. 16:00)
休|月曜
@kdmmsl08


インドと日本のおでんが出合ったら
お豆と野菜の旨味に感動

 三軒茶屋の〈クラフトビールと創作スパイス料理 キクヤ〉では、縦横無尽なアイデアが居酒屋メニューを彩る。おでんは南インドの野菜カレー「サンバル」に白だしを加えたアレンジで、辛さはほとんどなく、野菜と豆の旨味が大根や厚揚げに染みわたる。辛味を足すなら、北アフリカ発祥の調味料ハリッサで。スパイス文化の融合に思わずうなる。

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スパイスおでん盛(1500円)に合わせるのはオリジナルクラフトビール。推しは名前も楽しい「冬がはじまるよ」(1400円)。ホップの風味がしっかりでスパイスにぴったり。

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クラフトビールと創作スパイス料理 
キクヤ

住|東京都世田谷区太子堂5-1-12-1F
電|03-6453-4381
営|月~金 18:00~24:00/土 15:00~24:00、日祝 15:00~22:00
休|無し
@kikuya_3cha


メトロポリターナ読者が選ぶ
“外せない”おでん種ベスト10

メトロポリターナ12月号で実施した読者アンケートの結果を発表!  読者が選ぶ、これだけは外せないおでん種とは?

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1位 大根
やっぱりみんな大好き!だしが染みたホクホクの大根は、554票とその人気は圧倒的。おでん界不動のエースです!

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2位 玉子
404票とこちらも大人気。じっくり煮込んだ黄身と白身に思わずほっこりする、だしと一緒に頬張りたい王道ネタですね。

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3位 こんにゃく
一見地味だけど、ひと口食べるとその奥深さに気づかされるこんにゃく。実はおでんに欠かせない、名脇役なんです。


4位・・・はんぺん
5位・・・餅巾着
6位・・・さつま揚げ
7位・・・牛すじ
8位・・・ちくわ
9位・・・がんもどき
10位・・・こんぶ

4位以下も主役級の具材がずらり。そのほか、じゃがいもやウインナーの声も。読者それぞれのおでん愛が伝わってきます!

出典:「metropolitana」 2025年12月号 読者アンケートより(回答者数726件)



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