【Fem Care Project 推進パートナー】
一般社団法人 女性の健康推進協会 代表 濵脇文子
みなさん、ケンシン行っていますか。ケンシンと聞いて、どのような漢字が浮かびますか。女性には、大切なケンシンが3つあります。
まず「検診」。この検診とは、がん検診のように、特定の病気にかかっているかどうかを調べるために診察・検査などを行うことです。日本人が一生のうちに、がんと診断される確率は女性で50.2%(2018年)。なんと、2人に1人が、がんに罹患する可能性が有ります。がんで死亡する確率は、女性は17.8%(2019年)で、約6人に1人です。死亡率が一番高いのは、大腸がんです。(※1)また、近年女性特有の乳がんや子宮がんの罹患率が上昇傾向です。かつて、がんは不治の病と言われていましたが、医療の進歩とともに早期に発見することで、治療・完治することも可能な病気になってきました。ですから、できるだけ早期に発見し治療するためにも、「検診」がとても大切です。
乳がんは、検診だけでなくセルフチェックで見つけることもあります。月経がある方は月経が終わって一週間後ぐらいに、閉経後の方は日を決めて、毎月1回の自己触診を心がけましょう。以前にはなかったしこりや何らかの異常を感じたら、早めに乳腺外科を受診してください。乳がんのリスクが高まる30歳を過ぎたら、定期的な検診を心がけましょう。子宮頸がん、子宮体がんによる罹患率・死亡数も増加傾向にあります。子宮体がんが40歳代後半から増えはじめるのに対し、子宮頸がんは、20代から30代で増加しています。命を守る「検診」。お守りとして、大切に行いましょう。
次に「健診」。この健診とは、健康診断のことです。特定の病気を検査するものではなく、健康状態を確認することを目的とした検査です。項目としては、既往歴や自覚症状などの問診や、胸部レントゲンや血圧測定、血液検査(貧血、肝機能、血糖、血中脂質等)、尿検査などを行い、身体が正常に機能しているか、生活習慣病などのリスクはないか総合的に身体の状態を評価します。自分の今の状態を知ることは、自分自身のからだに向き合うこと。
健康を維持するためにも、健康を守るためにも大切な第一歩です。企業に所属している人は、1年に1度必ず行っていることと思いますが、個人事業主や専業主婦は定期的な健康診断を受ける機会が少ないので、例えば毎年誕生日に行うなど、健診の計画を行いましょう。健診を専門に行うセンターや病院だけでなく、最近では、ショッピングセンターでの健診や郵送健診なども有ります。生活スタイルに合わせ、上手に活用しましょう。
そして、最後に健康推進を略して「健進」。健康をより促進させる、積極的な行動です。健康なからだをつくるには、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠をとり、正しい生活習慣を定着させることが重要です。まずは自分の日常生活から見直してみましょう。食事はどうでしょうか。カロリーだけでなく、バランスや不足している栄養素はないですか。運動はしていますか。特別な運動だけでなく、生活の中で身体を動かせていますか。睡眠はとれていますか。時間だけでなく、質は如何でしょうか。便秘はしていませんか。肌の状態はどうでしょう。どこかに痛みはありませんか。呼吸は浅くないですか。気持ちの浮き沈みで身体が辛く、気分が晴れないことはないですか。
健康は目的ではなく、あなたがより良い人生を生きるための手段です。ですから、病気にならないという守りの姿勢だけでなく、今の自分の状態を知って、今よりもっと活力に満ち溢れ、幸せで充実した人生を生きていくために攻めの一手も行ってみませんか。
最後に、健進(けんしん)のためにあなたは何を行いますか。
※1 出典:国立がん研究センターがん情報サービス
【Fem Care Project 推進パートナー】
一般社団法人 女性の健康推進協会(ジョセケン)
2020年に設立された一般社団法人女性の健康推進協会(ジョセケン)が掲げるミッションは、「女性たちの心身や環境を想像(ソウゾウ)し、より良い健康を創造(ソウゾウ)する」こと。ジョセケンには、約300名の助産師が所属し、妊娠・出産・子育て支援のみならず、女性の生涯の健康の支援者として、働き方などを新しく見つめ直し、現代女性に寄り添いながらサポートすべく企業でのセミナー開催や、SNSでの発信などを行っている。
https://wha.jp.net/joseken

代表理事 濵脇文子
助産師・看護師・保健師資格を持ち、ジョセケンの初代代表理事に就任。現在、お産や子育ての喜怒哀楽を、楽しく伝えるべく「お産楽語」にもチャレンジ中
