6月20日の産経新聞朝刊(東京版)に掲載されたフェムケアプロジェクトの全面広告について制作した2人のクリエイターに話を聞いた。

創刊90周年を迎える産経新聞の特別企画として、ADKの若手クリエイターによる社内公募でアイデアを募集した。数十組の応募があるなか、選ばれたクリエイティブディレクターの時田さん(右)とデザイナーの澤谷さん。
フェムケアプロジェクト(以下FCP)は、6月20日、産経新聞の朝刊(東京版)に、全面広告を掲載した。この広告をつくったのは、広告代理店ADKの社内公募で手を挙げた2人の若手コンビ。彼らがどんな想いで、制作に臨んだのか話を聞いた。
女性特有の健康課題や、そこから派生するさまざまな問題を解決していくためには、立場や性別を超えた会話と相互理解が重要になってくる。
そこで、FCPが提示した広告のテーマは「フェムケアの発話を促す」ということ。クリエイティブディレクターの時田心太郎さんは、このテーマにはじめは難しさを感じたという。「フェムテックやフェムケアといった言葉こそ知っていましたが、詳しくはわかりませんでした。だから学びながら広告プランを練っていくわけですが、自分の知識の偏りを実感しましたね。毎日発見の連続でした。生理について話すことも、人によってさまざまな考え方があります。どこにフォーカスして、広告をつくるかは悩みました」
そんななか、ヒントとなったのは、時田さん自身の経験だ。「職場で、体調が悪そうに見える女性に声をかけるのをためらったことがありました。『もし生理なら…男性に言うのは嫌かも』と気を使って。ただ男性の自分から歩み寄り、言葉を選び声をかければ、相手も体調不良を打ち明けやすくなると気づいたんです。その気づきが、新聞を折り合わせることで文章がつながり新たな会話が生まれるというアイデアにつながりました」
色鉛筆で描かれたイラストは、デザイナーの澤谷直輝さん自身が描いたものだという。「メッセージを伝えるためには、目を引くデザインであることが大切です。今回は、イラストを使ってあたたかみのある雰囲気も大事にしました。よく見てもらうと、文字も手書きなんです。あとは、多くの人に共感をしてもらいたかったので、上司部下のような特定の見え方にならないよう、男女の関係性にも気をつけました。そのままでも、折っても成立するデザインは、なかなか大変でした。いろいろな人が、話をするきっかけになるといいなと思っています」
「折り合うと、変わるかも?」
「話しましょ。」
このちょっとしたアクションが、きっと社会を少しずつ変えていくはずだ。

広告は、折り線にそって折り合うと、新たなメッセージが表れる仕組み。今月号の裏表紙にも掲載しているので、ぜひお試しあれ。
スペシャルサイトはこちらから
https://metropolitana.tokyo/ja/archive/fcp_special_contents
この広告をみた人たちが
SNS上で感想を発信した。
●どうせ言ってもわからないだろうしとか言いづらいから…って話す事を諦めたり避けてたら何も変わらないけど、ちょっと勇気を持ってお互い歩み寄ってみる事で見えてくるものってあるよね。素敵。
●どうせわかってもらえないし、と決めつけるのではなくて、お互いの不安や悩みを、話すことで関係性を変えていくことが大事だなと気づきました。
わからないことこそ、伝えていかないと◎
#話しましょ
●なかなか男性からは切り出しにくい話題。でも、無関心じゃないよ、気にはかけてるんだよ、という話題。今より少し、話しやすくなる未来になるといいなぁ。
●折り合うと見えてくるメッセージ #話しましょ ほっとするまずは声をあげてみる、または声をかけてみる、話してみることから。
●距離が縮まると、周りも明るくなる。
#話しましょ
ふたりで眺めていると、話してみようかなになれそうな広告だね。
●今日社内mtgでフェムテック的な観点でうちの会社としてできることないのかな?って話をしてて。でもその議題を出すこと自体、上司(男性)がちょっと話しづらそうにしてて…全然だいじょぶなのにと思いつつ。この広告みたいに #話しましょ 大事にしたい。
●産後2か月で職場復帰、周りは男性ばかりだけどパパが多く子育てに理解があって。でも搾乳のことだけは言えなかった。毎日こっそりトイレで搾乳して、とった母乳は外から見えない袋にいれて共用の冷凍庫に保存。時間なくて張って張って辛い時もあった。産後一年くらいは搾乳が必要。恥ずかしがらずに、搾乳してきますって言える世の中、搾乳が当たり前の世の中に、いつかなるといいな。
#話しましょ
●ありたい未来、を新聞に描くという企画いいなぁ。パワハラ、モラハラ同様、フェムケアという考え方が世の中に広がって、家族や友人が笑顔になれると自分も嬉しいなぁ。
#話しましょ
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Fem Care Project(フェムケアプロジェクト)
「フェムケアプロジェクト」は、産経新聞社が主催する、女性のココロとカラダのケアを考え、よりよい未来につなげるプロジェクト。女性特有の健康課題や働き方について情報発信をしながら考えていく。
スペシャル サイトはこちらから
https://www.sankei.com/special/femcareproject/