女性のココロとカラダのケアを考え、よりよい未来につなげる「Fem Care Project」。本誌編集長・日下紗代子が、さまざまな人にお話を聞きながら、女性の健康課題や働き方について考えていきます。
3年前、本連載を開始する際の自身のプロフィールで「風邪を引かないのが強み」と謳っていた日下ですが、ついに風邪を引きました。当時、健康が取り柄だったとはいえ、若かったな、とまず振り返ります(笑)。現在37歳です。もし、当初から読んでくださっている方がいらっしゃいましたら、等しく3年以上の月日が経っています。それは、ココロもカラダも変わりますよね。ちょうど先日、あるメーカーの方とお話しした際、「これまでとは違うぞといった心身の変化に気づくタイミングって、ホルモンの変化やライフ・キャリアイベントの多い30、40代の女性に多いですよね」という言葉に、めちゃくちゃわかります、と深く頷いたばかりでした。
SOSのサイン
そこで今回は、自分自身の心身と対話する“フェムトーク”にしたいと思います。というのも、聞こえてきたんです。これはSOSのサインではないかと。正確に申しますと、「腸炎」という大腸の炎症の疑いがあり、その影響で風邪のような発熱や身体の痛みが発生しているのではないか、というのが医師の見立てでした。これを聞いて真っ先に、日々の暴食の“ツケ”がきたな、と察しました。不規則な時間の飲食に加え、以前淡路島のリトリートの取材で「禅坊料理」をいただいたときの料理長の言葉を思い出したんです。「添加物や砂糖は消化するために胃や腸に負担をかけてしまうものなんです」。10代や20代の身体とは明らかに違うわけです。適度に、ですよね。
そしてワークライフバランス。ついやりすぎてしまう私は、生活の質を改善する時間が圧倒的に少なかったと自戒しています。よーく考えれば、QOLが高いほうが、仕事のパフォーマンスが高いというのは今この身をもっても明らかです。むしろ、編集者やメディアって両立が難しいという通説に「本当か?」とチャレンジしてみる方が、今らしくておもしろい!と思い直すようになりました。
もし、私の大腸が何も起こらず、発熱しなかったら…。そう考えるとぞっとします。人間の身体はすごいです。痛みは命を守るための「声」でもあり、この声を聴いてケアしてあげられるのは、自分しかいないのだと改めて感じます。
「半径5m」の世界
しかし「声」を聴きケアすることは、簡単なようで簡単ではない。思っている以上にです。これは今、社会の共通の課題でもあると感じています。医師からしても、来てくれないと治せない。女性の悩みを助けるあらゆる商品やサービスがあっても、手に取ってもらえなければ力になれないという、悔しい想いをたくさん聞いてきました。
一方で、待ってばかりではいられない!とありがたい動きもでてきています。その画期的な取り組みのひとつが、「赤本」です。あの受験時には必ずお世話になる教学社の「赤本」とユニ・チャームがタッグを組み、『受験生の生理対策』(教学社)を制作、いま赤本コーナーに置かれているのです。調査によると、一般入試で大学入学を目指す高校3年生の女子100人のうち「受験日と生理が重なるかどうか不安」と回答した人は85%(※)。これまで風邪やインフルエンザ対策はたくさん流通していましたが、生理の対策も同じくらい重要であることは意外と知られていません。健康コーナーではなく、赤本コーナーに赤本仕立てで置く。この素晴らしいアイデアによって、受験生当人のみならず、家族や周囲が知るきっかけにもなります。異業種がタッグを組み、当事者の後悔のないチャレンジを応援する。参考になる事例だと思いました。
PLAZAでは、ポップでかわいい“PLAZA流”のパッケージデザインを施したナプキン「The Week」が誕生しています。プラザスタイル カンパニーの中村優希さんはその経緯について、「コロナ禍にキャリアで自身の目標が奪われ、精神的に落ち込んだことがありました。健康であるという基本的なことが叶っていないと、PLAZAが提供するかわいい!やワクワクする気持ちを受け取れないと感じ、まずは女性の健康に寄り添いたいと思い開発に取り組みました」。
そう。街中や自分の日々の生活のなかには、企業や自治体などたくさんのメッセージがあふれています。女性の健康は、ゆりかごから墓場まで、多様な困りごとに、いつも誰かが一生懸命考えて手を差し伸べる準備をしています。自分のことかも?と、身の回りの「半径5m」からキョロキョロしてみると出合えるかもしれません。2025年の国際女性デーも、じつはこの「半径5m」がキーワードです。皆様もぜひご自身とフェムトークすることから、素敵な一年のスタートになることを願っています。
※ユニ・チャーム「生理・PMSに関する母と娘の意識調査」2024年8月。

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メトロポリターナ編集長
日下紗代子
自分とフェムトーク!

Fem Care Project
「フェムケアプロジェクト」は、産経新聞社が主催する、女性の心と身体の「ケア」を考え、よりよい未来につなげるプロジェクト。女性特有の健康課題や働き方について情報発信をしながら考えていく。
