10日の内覧会で、ゴッホの『糸杉』を鑑賞する参加者(酒巻俊介撮影)

《上野》「ゴッホ展」開幕 独自の画風につながる”2つの出会い” 『糸杉』など約40点


 鮮やかな色彩と力強いタッチ(筆触)の作品が、鑑賞者の心をつかんで放さない画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)。いまも世界中で愛される画家の作品約40点などを集めた「ゴッホ展」が10月11日(金)、上野の森美術館で開幕しました。わずか10年の画業に大きな影響を与えた”2つの出会い”に焦点をあて、代表作『糸杉』にみられる独自のスタイルを確立した軌跡を明らかにします。
 本展はゴッホ作品の転機となるパリ移住の前後で、大きく2部に分けて構成。第1部は画家を志す27歳から移住までの初期に、農村生活を描くオランダの「ハーグ派」と交流し、学んだ影響の色濃い作品を展示しました。素朴な農民の表情を描いた『農婦の頭部』は、画家の真摯(しんし)な姿勢や、純粋な追求心が垣間みられます。

ゴッホ展 内覧会small.jpg内覧会でゴッホの『農婦の頭部』(手前)などを鑑賞する参加者(酒巻俊介撮影)
 一方、第2部は33歳の移住後、クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールら「印象派」の作品に触れ、吸収し、自らの作風に到達するまでを提示しています。色鮮やかな同派の作品と並べることで、ゴッホが明るい色使いや筆触を残す画法をこの時期に取り入れ、晩年の『糸杉』『薔薇(ばら)』など名作につながることをうかがい知ることができます。

13版2社@ゴッホ展 内覧会small.jpg内覧会でゴッホの『薔薇』(左)などを鑑賞する参加者(酒巻俊介撮影)
 日本初公開の『パリの屋根』などゴッホ作品に加え、モネやルノワール、ハーグ派のアントン・マウフェらの作品約30点も展示。ハーグ派、印象派との”出会い”が、いかにゴッホの作風をつくりあげたのか―鑑賞すれば、きっと答えが見つかるはずです。
 ゴッホ展
 会場:上野の森美術館(台東区上野公園1-2)
 会期:2020年1月13日(月祝)まで ※12月31(火)、1月1日(水祝)は休館
 開館時間:9:30~17:00(金・土は20:00)
 入館料:1800円、高校・専門・大学1600円、小・中学1000円

 https://go-go-gogh.jp/






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