俳優の東出昌大さん(29)がユニークな写真集を出した。イノシシをナイフでさばき、縄文土器のカケラを手にし、霊峰を踏み、荒れた海へタコ漁に出る。そんなハードな旅を共にして『西から雪はやって来る』(宝島社・2980円+税)にまとめたのは写真家の田附勝さん(43)とデザイナーの町口覚さん(46)。力強い写真群と東出さん自身が記す言葉が共鳴する生々しいドキュメンタリーだ。(篠原知存)
「日常には『なんか』で済ましていることがたくさんある。肉を食べるけど、どこから来るとは考えないし、なんとなくそのままにして…。いざ向き合ってみると、『なんか』にはこんなに量があったのかと」
東出さんは、そう振り返る。旅の初日、群馬県みなかみ町でワナにかかったイノシシと向き合った。刃物を突き刺すと、鳴いた。
〈間違いなく呪いの声だった〉
