エア本屋の「いか文庫」。閉店後の店内で交わされる店主とバイトちゃんのイカした会話、本のお話。
店主(以下 店) :今日もおつかれさま〜!
バイトちゃん(以下 バ) :おつかれさまでした!
店:疲れた身体と心には、あま〜いチョコレートが最高だよねぇ。おひとついかが?
バ:ありがとうございます! もうすぐバレンタインですね。
店:甘いものの季節!
バ:この時期に読みたくなるのが、イケメン兄弟が営むチョコレート専門店が舞台の物語『クーベルチュール』!
店:いいチョイス〜!
バ:いろんな思いを抱えたお客さんの悩みを、甘いチョコレートで解きほぐしていくような短編が収録されていて、バレンタインのほろ苦いお話も出てきます。
店:うんうん、ビターなチョコレートを食べたときのような気持ちになるよねぇ。
バ:チョコレートを口に入れた時の、登場人物たちの何ともいえない表情を見ていると、こっちまで同じ顔して味わった気持ちになってしまう…。
店:作者は『ちはやふる』を描いた末次由紀さんなんだよね?
バ:はい! ショコラティエ2人のいい男っぷりも必見です!
店:甘いものもイケメンも味わえるなんて、最強の少女漫画じゃなイカ! そうだ。読んでて甘い気持ちで満たされるといえば、『変なお茶会』もオススメだよ。年に一度、世界各地から集まった人達と一緒に、岩山から湧き出る天然のココアを飲むっていう奇想天外な物語なんだけど。
バ:ココアってところが、すてき。
店:その天然ココアのことを想像すると、おもわず「ああおいしい!」って言いたくなっちゃう、不思議な絵本なの。
バ:ちなみに、お茶会をする場所はどこなんですか?
店:森の中だよ。月がのぼると、ココアが湧き出てくる。
バ:なんて幻想的! ココア、飲みたくなってきた!
店:私も!
バ:そういえば、ハワイの「いかチョコ」って知ってますか?10本ぐらいまとまったサキイカの束の先端にチョコレートがついているものなんですけど…(画像を見せる)。
店:見た目がちょいと…。
バ:こんなにいっぺんに、サキイカを口に入れろと? って感じですよ。もしかしてハワイの人たち、マカダミアナッツチョコレートに飽きちゃったのかな。
店:発想がアメリカンだよね。
バ:でも海の向こうにも、イカを使った面白いことをしている人たちがいると思うと、夢が広がります!
店:バレンタインの話からイカの話に持っていけるバイトちゃん、さすがだなぁ。じゃあ今日は一杯いっとく? ココアでも!
バ:やったー!
いかぶんこ
お店も無いし、商品も無いけど、日々どこかで開店しているエア本屋。本と本屋が好きな店主と、イカが大好きなバイトちゃんの2人で、今日もどこかで開店中