Q質問
読者・街の人に聞いた、
心豊かに生きるということ
① 心身を休めたいとき/心豊かに過ごしたいときにしていることはなんですか?
② 心身を休められる/心豊かに過ごせる、東京のお気に入りスポットを教えてください。
③ 最近、どんなときにあたたかい気持ちになったり、心がほっとしましたか?
④ 人生をより心豊かに生きるうえで大切にしていること、したいことはなんですか?

「オフ」の習慣で心を整える
稲葉俊郎(医師)
忙しい日々を心豊かに生きるためには、「オン」と「オフ」の切り替えが大切です。日本人は基本を「オン」で過ごし、時々「オフ」に切り替えますが、私はむしろ「オフ」をベースにして、必要なときに「オン」にする生き方を提案したいと思います。
そのためのポイントが、睡眠と入浴の質を高めること。眠りについては、就寝の2時間前には照明を落とし、デジタル機器から離れる。そうした「儀式」を習慣化するだけで、眠りの質は大きく変わります。意識的な活動は朝に集中させるほうが、人間本来のリズムに合っています。
入浴もまた、心身を「オフ」に戻す特別な時間です。お風呂に浸かれば自然とスマホを手放し、外の情報を遮断して「今ここ」に戻れます。入浴剤を使えば香りが広がり、より感覚的に楽しむことができますし、塩をひとつまみ入れるだけでも体内の巡りが整います。
さらに、日常に「サードプレイス」をもつことも心を柔らかく保つ秘訣です。いつも同じ生活に埋もれていると、感覚はすぐに硬直してしまうもの。だからこそ、自分の「好き」が呼び覚まされる場所をもっておくことが大切です。私にとっては青山の岡本太郎記念館ですが、神社や公園、緑に触れられる場所でも構いません。心がほぐれる場所があるだけで、生きるリズムはぐっと柔らかくなります。
□医師、作家。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM) 特任教授。西洋医学だけではなく伝統医療や民間医療も広く修め、医療と芸術、福祉など、他分野と橋を架ける活動に従事している。

「テキトー」な自分も大切にする
藤原さくら(シンガーソングライター)
私はもともと考えすぎる癖があって、つい自分を縛ってしまうんです。曲を作るときも、「最近は洋楽寄りだから次は日本的にしなきゃ」とか。最近はスマホから情報が流れ込むから、気づけば人の声が自分の声になってしまう。そういう積み重ねが不調につながり、昨年、歌を歌う活動をお休みする期間をつくりました。
その間、私をリセットしてくれたのが「旅」と「絵」でした。イギリスでは、ロックの聖地ロンドンからビートルズの街リバプールへ。電車の窓に広がる雄大な平野を眺めながら、自然と呼吸が整っていくのを感じました。そして街角で道ゆく人をスケッチする時間が心地よかった。小さい頃から絵を描くことが好きで、無心になりたいときは絵を描いてきました。もちろん、音楽も大好きだけど、仕事として向き合っていると「もっとこうしなきゃ」という思いが強くなる。街角でペンを走らせながら、「音楽も、こんなふうに楽しめたらいいな」と思いました。絵を描くみたいに、もっと感覚的に。
「がんばる」ことはもちろん大切だけど、「テキトー」な時間も同じくらい大切。しっかりした私も、力を抜いた私も、どちらも本当の私。そう考えると、人にも自分にも優しくなれる気がします。
□シンガーソングライター。天性のスモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の耳を引き寄せる。 ミュージシャンのみならず、役者、ラジオDJ、ファッションと活動は多岐に亘る。2026年2月23日(月・祝)には、藤原さくら初となる武道館公演「藤原さくら 10th Anniversary 武道館大音楽会」を開催予定。
街頭・かほさん(中目黒)
①一人島旅、音楽を聴く、温泉に入る
②スパ ラクーア。温泉、マッサージ、食事など1日中リラックスできる空間が整っているから
③スピーカーで音楽を聴く
④忙しく慌ただしい日々でも自分の時間をつくること
読者・がうおさん
①家族とのウォーキング
②東京スカイツリー。眺めのよい景色を見ながらぼーっとすると癒やされる
③石窯オーブンを買ったこと。妻が楽しそうにパン作りをしていて、こちらも幸せな気分に
④家族が仲のいいこと
読者・KCさん
①読書、ヨガ、音楽鑑賞
②田園調布、自由が丘。住宅街の閑静な美しさと沿道の桜、緑が意外にも多く癒される
③〈WEDGWOOD〉のカップ&ソーサーで毎朝紅茶を淹れて飲む時間
④大切な人と過ごす時間をもつこと
街頭・CIさん(池袋)
①一人でゆったりしながら自宅で洋画を観る時間
②スカイツリーの周辺がお気に入りのスポットです
③散歩をしていた際、スカイツリーの真下でお祭りが開催されていたのを見つけたこと
読者・KYさん
①読書をする、語学の勉強
②新宿御苑でのピクニックが楽しい
③『メリー・ポピンズ』を映画館で観ることができて嬉しい
④美術、演劇、歌舞伎などの文化を楽しむ。生活必需品ではないが、あると人生が豊かになると思う
街頭・マロンさん(恵比寿)
①音楽を聴くこと、料理をすること
③Snow ManやMrs. GREEN APPLEの音楽を聴くこと
④食体験。1日3食365日、必要なものをできるだけ楽しむことを心がけています
読者・タカさん
①カフェで読書。落ち着いた雰囲気の中で、コーヒーはもちろんスイーツもサンドイッチもおいしくて、ゆっくり&ゆったり読書できるから
②渋谷の〈茶亭羽當〉
③映画の『国宝』はよかった!
④妻との時間
読者・WMさん
①飼っている猫とのスキンシップ
③通勤途中に見つけた燕の巣で、巣立ちまで見届けられたこと。雛の成長や親鳥の姿が、気の重い出勤の励みになった
④動物や植物など人間以外の生き物がいる生活
読者・小パンダさん
①ぬいぐるみをぎゅっとする。枯れるまで泣く。土いじり、家庭菜園
②等々力渓谷の水の音
③京都で苔寺に癒やされてから、実際に自宅でも苔を育てています
④家族が健康なことや、今あるものに感謝すること