店主(以下 店) :バイトちゃん、お疲れさまー。今日は忙しかったから、一杯やって帰りたい気分だよ。
バイトちゃん(以下 バ) :お疲れさまです! 店主がそんなことを言うなんて、めずらしい!
店:強くないけれど大好きなのよね、お酒。
バ:お酒といえば、私は作家の田辺聖子さんのお酒にまつわるエッセイだけを集めた『夜の一ぱい』が好きなんですよねぇ。
店:ほぅ!そんなエッセイ集があるんだね。
バ:田辺さんは結婚してから毎晩日本酒を飲んでいるそうで、日本酒とその晩酌メニューが本当においしそうなんですよ。
店:うわ〜。日本酒、私も最近飲むようになったけど、ちびちび味わう感じがいいよねぇ。
バ:関西の方なので、肴も気になるものばかり! はりはり鍋、すずめ、魚の酢の物、あとオバケ…。
店:オバケ?
バ::関西では湯通ししたクジラの尾びれを「オバケ」と呼ぶそうです。
店:お店のメニューにあったら頼んでみたい、「オバケ1つ!」って。
バ:田辺さんは、「いろいろ作って並べて、あれを少し、これを少し、ひらひらと箸をさまよわせながら飲むのは楽しい」って。私もいつかそんなふうに日本酒を嗜んでみたいなぁと思っています!
店:お酒を楽しんでるって感じでいいねぇ。お酒を楽しむといえば、私はこの本がオススメ! 『おじさん酒場』っていう、女性のライターさんとイラストレーターさん2人で書いた本なんだけどね。
バ:おじさん酒場?
店:全国の「おじさんが集う酒場」を訪れて、そこでおじさんたちを観察したり、実際に会話をしたりして、酒場ごとにエピソードをまとめた1冊だよ。その数、全部で25軒!
バ:25軒!
店:これに出てくる渋谷の富士屋本店、私も行ったことあるんだ。立ち飲みの大衆居酒屋っていうのが初めてだったから、連れて行ってくれた人に注文の仕方とか作法を教えてもらって、ドキドキしながらもすごく楽しかったの!
バ:私も行ってみたい!
店:その時は自分のことで精一杯で、他のお客さんには目が行かなかったんだけど、この本を読んでると、自分が一緒にその酒場にいるような、いい酔い加減を味わえるんだ。
バ:おじさん酒場の独特の空気感、一人で乗り込む勇気はないけど、いいですよねぇ。本でその感覚を味わえるなんて、最高だ…。
店:でしょ。でね、この雰囲気を味わえる本屋をやるってのはどうかな?って考えてるんだ。お酒も味わいながら、本も楽しめる、コの字型のカウンターの本屋さん!
バ:新しい試み!いいですね!
店:あ、そしたらイカのおつまみも用意するね!
バ:やったー!