左:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』著:ブレイディみかこ 新潮社 1350円 右:『うらおもて人生録』著:色川武大 新潮文庫 670円

人もイカも、いろいろだからいいんじゃなイカ?《いか文庫 本日は閉店なり》


店主(以下店) :バイトいもおつかれさま〜。最近何か読んだ?

バイトいも(以下いも) :うん。実はハマった本があって。ブレイディみかこさんの…

店:『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』⁉

いも:そう!

店:私も読んで感激したんだけど、ブレイディさんと同じ英国に住んでるバイトいもは、いろいろ共感するのかな?って考えてた。

いも:それがね、共感の逆で、驚いたことのほうが多かったの。

店:え! そうなの⁉

いも:うん。ブレイディさんの息子さんは、日本人の子どもだからって差別的なことを言われて、本のタイトルになった一文を走り書きするじゃない? 私はそういう経験がないから、むしろ衝撃を受けたの。彼は、日本に行ったら行ったで、日本人の顔なのに英語しか話せないって責められる事件にもあうし。

店:私もショックだった…。

いも:あと、中学の授業で、同性婚、LGBTとかのセクシュアリティについて考える授業があるとか、もう4年も住んでるのにまったく知らなかった。

店:私は、自分が日本しか知らないから驚くんだなって思ってたけど、暮らしていても知らないことってあるんだね。

いも:本当に。そしてなにより、この息子さんの考え方が素晴らしくて、自分もこうありたいって思わせられるよね。

店:それ! 喧嘩しあってる同級生を仲よくさせようとするところとか、すごいよねぇ…。いじめの問題ってつい難しく考えちゃうけど、彼の言うことが一番シンプルで真理だ!って思った。

いも:日本と英国でアイデンティティの考え方が違うことも、あらためて気付かされて。この本まるごと全部で驚かされたよ。

店:それで思い出した本が『うらおもて人生録』。色川武大さんが「劣等生」に向けて「生きて行くための技術」を記した本です。

いも:色川さん…初めて知った。

店:私もまだこの1冊しか読ん出ない作家さんなんだけど、この本も目からウロコがボロボロ落
ちるんだ。成績とか学歴とか出自とかの優劣って、生きてくうえであんまり関係ないんじゃな
い? 人生っていろいろあるしさ、って具合に、人や物事の見方を変えてくれる1冊だよ。自分
が思い込んでいた、こうじゃなくちゃいけない、が、覆された。

いも:それは気になる!

店:それにこの色川さんの文章の語り口が特徴的で優しいところも、読み心地がいいんだよね。

いも:30年以上生きてきても、自分たちの考え方がすべてじゃないって気付かされるの、面白いね。

店:本当に。気付きたいから、本を読むのかもしれないね。

いも:もっと本読むぞ!





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