『かしこくて 勇気ある子ども』著:山本美希 リイド社 1800円『またね家族』著:松居大悟 講談社 1650円

イカようにも変化する親子関係《いか文庫 本日は閉店なり》


エア本屋の「いか文庫」。
本を読んで、親子や家族について考える今日このごろ。

 

バイトちゃん(以下 バ):シンチャオ、店主!

店主(以下 店):バイトちゃん、おつかれさま〜。

バ:私の娘は2歳半になり、イカとタコを識別できるようになりました! どんどん成長しています。

店:なんと! あっという間!

バ:子どもの成長は一瞬だけど、漫画『かしこくて勇気ある子ども』を読んだら、お腹にいたころの長い時間を思い出しました。

店:あ! 読んだんだね!

バ:妊娠がわかったことから始まり、毎日お腹をさすりながら、生まれてくる子どもへの期待を膨らませる夫婦の物語。でも、ある勇敢な少女の身に起きた事件をきっかけに、妻が出産に前向きになれなくなっていくんですよね。

店:私は子どもを産んだことがないから、正直「そこまで? 衝撃的すぎない?」って思ったんだけど、最近の事件や自然災害のこともあって、守らなければいけないのが自分だけじゃないプレッシャーって、想像以上なんだろうなって感じたよ。

バ:子どもを連れて外に出るときは気を張ってしまいます。1人で歩くときの気楽さといったら!

店:「子育て中の親はね、モンスターって言うとあれだけど、特別モードなの。子どもっていう魔法の中にいる」ってセリフが印象的だった。

バ:子どもを守りつつ、その特別モードをどうゆるめるか? を、私も考えないとなと思いました。

店:読後、時間がたつとさらに考えが深まっていく気がするよね。

バ:そういえば、子どもから親や家族を見つめる小説『またね家族』も最近読んだんですよ。

店:はじめて聞いた本だわ。

バ:主人公は劇団を主宰したり、ドラマの脚本を書く仕事をしているのですが、父親はそれに無関心で応援してくれなくて。あるとき、その父親がガンで余命わずかという連絡が入るんです。

店:うーん、気になる。

バ:父親は病気で弱っていくし、仕事や恋愛がうまくいかない時期も重なり…。主人公は思いを素直に言葉にできない自分に嫌気がさして、頭がパンクしそうになりながらも、大嫌いだった父親や家族に向き合っていく物語です。

店:うちは家族の仲がよくて、どこもそういうものだって思ってきたんだけど、必ずしもそうじゃないのよね。読むことでまた新しい発見がありそう。

バ:親と仲がいい人も関係に悩む人も、いろんな家族のカタチがあるなと捉えられるかなぁと。

店:家族も結局個人の集まりだから、状況や場所によって変化していくしね。

バ:はい、いかようにも。子どもと過ごす時間も増えたので、親子に関する本をほかにも読もうかな。

店:いいね。また話を聞かせて!





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