花王株式会社 サニタリー事業部 田村優樹さん

生理の悩みに企業も向き合う「職場のロリエ」が目指す、当たり前の風景


突然の生理
対応の難しさに悩みの声

 職場での思いがけない生理に、戸惑った経験がある女性は少なくないだろう。しかし生理にまつわる困りごとへの対応は、これまで個人の工夫にゆだねられてきたのが実態だ。「社内アンケートを実施してみると、やはり突然の生理への対応の難しさや、多忙でナプキンを交換する時間がないというような、さまざまな問題があることがわかりました」と田村さんは振り返る。

 「生理をもっと過ごしやすく」をブランドパーパスとして掲げるロリエとして、生理にまつわる困りごとを少しでも解決することができないかー。そこで誕生したのが、「職場のロリエ」だ。


ナプキンの保管用ボックスを無償で提供

 「企業がナプキンを職場に備える取り組みで、ロリエからはナプキンを保管するためのボックスを無償で提供しています」。誰もが働きやすい環境づくりを積極的に進める企業はもちろんのこと、女性従業員が少ない建設現場や私物の持ち込みがしにくい工場といった拠点を持つ企業での導入も目立つ。「女性の悩みが共有されにくい環境だからこそ、女性に寄り添う第一歩として、職場のロリエが選ばれるケースが多いです」。

 2022年に始まったプロジェクトは、導入企業を着実に増やし、2026年2月末時点で700社以上に広がっている。その拡大を支えているのが、花王社員のアンバサダーだ。生活者に寄り添う姿勢を貫いてきた企業文化のもと、自発的に立ち上がった社員たちが、社外へ「職場のロリエ」の存在を発信している。「社内で取り組みに共感してくれる社員が多かったため、試しにアンバサダーを募ってみたところ、約600人もの社員が手を挙げてくれたんです」。田村さんは、そのうち約4割が男性だったことも印象的だったという。アンバサダーは、名刺サイズのカードをクライアントや知人に配布するなどして、職場のロリエの認知拡大に取り組んでいる。「なかには他部署から『イベントで職場のロリエを紹介してみないか』とお誘いをもらうこともあります」。

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職場全体の環境整備へ広がりも

 導入企業の従業員からは、「不安を感じることなく働くことができる」「会社への愛着が増した」などの声が上がっているのだそう。「企業の中には、職場のロリエをきっかけに、トイレ環境の見直しなど、職場全体の改善に取り組んだというケースもあります」。

 田村さんはこれまでのプロジェクトを振り返り、「ブランドが掲げてきたパーパスを言葉だけで終わらせず、世の中に向けて実践できた点に、大きな手応えを感じています」と語る。目指すのは、企業が職場にナプキンを備えるのが、当たり前になる社会「この取り組みを知っていただくことで、職場のロリエという形でなくても、ナプキンを備えてみようと思っていただけたらうれしいですね」と笑顔をみせた。

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学校生活の安心にも貢献

 ロリエは「学校のロリエ」として、小学校から大学までの教育機関でも、生理用ナプキンの備品化を進めている。なかには、生徒会など学生主導で導入しているケースも。安心して過ごせる学びの場づくりを後押ししている。


「職場のロリエ」について詳しくはこちら
https://www.kao.co.jp/laurier/project/shokuba/





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