樹齢数百年の巨木が生い茂る「御岩神社」には、6000枚のフィルムを使ったインスタレーションが。森山茜 ≪杜の蜃気楼≫ 2016

《茨城》茨城県北部の魅力を感じる“芸術の秋旅、KENPOKU”へ!


 行楽シーズンがやってきましたね。

 週末の予定がまだ決まってない!という方にぜひおすすめしたいのが、茨城県北部で11月20日まで開催中の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」です。

 「海か、山か、芸術か?」をテーマに開催されているこの芸術祭は、日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町といった、茨城県北地域6市町の広大なエリアに約100点(プロジェクトを含む。17の国と地域より参加)の作品が点在しています。東京・森美術館館長の南條史生氏が総合ディレクターを務め、国内外の若手~ベテランアーティストが集結。絵画、写真、映像、彫刻、インスタレーションなど作品のジャンルは多種多様です。舞台も、パワースポットとして人気を集める神社や廃校となった小学校、日本の近代化を担った産業に関する施設、トンネル内など実にバリエーション豊か。「日本にこんな場所があったんだ!」と驚きの連続です。

 ダイナミックで風光明媚な茨城県北部の海と山の景色を眺めながら、現代アートを楽しむことができる貴重な機会。本当にエリアが広大なので、海側を一日、山側を一日かけてゆっくり回ることをおすすめしますが、もちろん日帰りでも十分楽しめます。

 すべては紹介しきれないので、個人的にお気に入りの作品をいくつかご紹介します。

 世界的に活躍する建築家 妹島和世氏が手がけたJR日立駅をジャックしたのは、フランス人アーティスト ダニエル・ビュレン氏。太平洋が虹色に見えて美しく、ついつい長居してしまいます。妹島氏は大子町の旧浅川温泉に足湯作品「Spring」を制作。旅の途中、冷えた身体を温めましょう。

ダニエル・ビュレン 《回廊の中で:この場所のための4つの虹-KENPOKU ART 2016のために》2016 ©DB-ADAGP Paris

 サーファーにも親しまれている高戸海岸には、イリヤ&エミリア・カバコフ氏による巨大な作品。題して《落ちてきた空》。秋空の下に大きな空のキャンバスが置かれた光景は圧巻です。

イリヤ&エミリア・カバコフ《落ちてきた空》1995/2016


 同じく太平洋を望む「茨城県天心記念五浦美術館」では、今大注目のアーティスト チームラボの展示が見られます。『茶の本』の著者でもある岡倉天心へのオマージュとして制作された茶室はぜひ体験してほしい作品です。

チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》2016


 最後に、芸術祭でも人気が高く、個人的にも一番好きな作品はザドック・ベン=デイヴィッド氏による「ブラックフィールド」。体育館に足を踏み入れると、一面に敷き詰められた黒い花々が目に飛び込んできます。2万7000本の繊細な金属製の草花の切り抜きで作られた展示空間を反対から見ると、それぞれの花が華やかな色彩に彩られていることに驚かされます。この世界は、多様な植物と多様な人間が共存し、形成されているー。茨城県の山奥で世界に想いを馳せる…。これぞ大自然を舞台にした芸術祭の醍醐味です。

ザドック・ベン=デイヴィッド《ブラックフィールド》2007- 2016



AKI INOMATA《やどかりに「やど」をわたしてみる −Border−》2009-


中崎透《看板屋なかざき》


原高史《サインズ オブ メモリー2016:鯨ケ丘のピンクの窓》2001-



ワン・テユ《No.85》2016


 秋の深まりとともに、茨城の魅力を感じる“芸術の秋旅”へ、ぜひおでかけください。(撮影:木奥恵三)


KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭「海か、山か、芸術か?」

開催期間:11月20日(日)まで

開催場所:茨城県北地域6市町(日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町)

作品鑑賞パスポートは、一般2500円/学生・65歳以上1500円/中学生以下無料。

https://kenpoku-art.jp/





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