Photography=MASAHIKO YAMAMURA Edit=KOHEI NISHIHARA Design=soda design

サンケイビル「須磨海浜公園」市民と育む、サステナブルな公園


サンケイビル「須磨海浜公園」

 サンケイビルが手がけた再整備によって、大きく生まれ変わった神戸・須磨海浜公園。その姿から、これからの都市公園のあり方が見えてきた。


歴史ある松林を守りながら
公園を再整備する

 2024年6月、神戸市須磨区にある須磨海浜公園がリニューアルした。再整備プロジェクトを主導したのは、株式会社サンケイビルを代表企業とする「神戸須磨Parks+ Resorts共同事業体」。老朽化した水族園の建て替えを契機としたこの再整備は、水族館やホテルを新設するだけではなく、公園全体を一体的に再生させている。

 サンケイビルが掲げた整備コンセプトは、「いにしえからの景勝地として名高い須磨の海岸の魅力を最大限に生かし、末永く神戸市民に愛される再整備」。リゾート機能に加えて、防災設備の整備や、環境保全活動なども盛り込んだサステナブルな都市公園づくりというのが特徴だ。昨年には、「都市公園等コンクール国土交通大臣賞」も受賞した。

 須磨海浜公園の象徴といえば、「日本の白砂青松100選」にも選ばれた美しい松林。かつてこの地には住友家の別邸もあり、その名残は今も残っている。この歴史ある自然景観を守り育てることも、再整備の大きなテーマのひとつだった。サンケイビルは、再整備工事にあたり、松の樹木を京都・亀岡の山中へ移植。工事完了後に公園へ植え戻すという手法を採用し、樹木医による治療や土壌改良を施しながら、松林の保全と育成を進めている。さらに、地域住民が参加する「松葉のおそうじ」活動も実施。市民とコミュニケーションをとりながら松林を守り育てる活動も行っている。


災害時に、住民を守る
防災機能も兼ね備えた公園

 1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸。その経験を風化させないよう、須磨海浜公園には、防災機能も組み込まれた。そのひとつが、園内に配置されたかまどベンチだ。平時はベンチとして利用され、災害時には座面を外すことで炊き出し用のかまどになる。また、断水時でも使用できるマンホールトイレも配備し、災害時のトイレ問題にも対応できるようになっている。いざという時の備えも、使い方がわからなければ意味がない。そのため、地域住民を対象としたイベントなどで、防災設備の使い方を体験してもらう機会を設けている。


サンケイビルだからこその
水族館とホテルの一体運営

 そして、再整備の目玉は、西日本で唯一シャチを展示する「神戸須磨シーワールド」と、「神戸須磨シーワールドホテル」だ。鴨川シーワールドや様々なホテルの運営実績をもつグランビスタ ホテル&リゾートが両施設を一体運営することで、宿泊客は閉館後の水族館でナイトウォークを楽しんだり、ホテル敷地内のドルフィンラグーンでイルカとふれあったりと、特別な体験ができるようになった。全室オーシャンビューの客室からは、須磨の海と松林が織りなす景色も一望できる。

 須磨海浜公園の再整備は、単なる施設更新にとどまらない。歴史ある自然を守り、災害に強い街をつくり、人々が集う賑わいを生み出す――サンケイビルはディベロッパーとして、これら全てをつなげた「持続可能な都市づくり」に挑んでいる。「公園をどう使いこなすか」が問われる時代に、須磨海浜公園は新たな価値を発信し続けている。

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人と自然、歴史と文化、多様な
つながりを生む海辺のリゾートパーク。


1.みんなで守り育てていく松の杜

2月に開催した「松葉のおそうじ」には、44名の親子が参加。松林保全のために落ち葉を集めトラックに積み込んだ。参加者には公園スタッフ自慢の石焼き芋がふるまわれた。

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集めた落葉はなんと約500kg!!


2.いざという時のための防災機能

かまどベンチは、45リットルの大鍋が合計3個設置でき、約450人分の汁物の調理が可能。マンホールトイレは、排泄物を水流で直接下水道管に流す仕組み。海水を流し込むことで、断水時でも使用ができる。

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3.海とつながるホテルと水族館

全80室の神戸須磨シーワールドホテルには、水槽付きの客室もある。全室オーシャンビューで、バルコニーの下には宿泊者がイルカとふれあえるドルフィンラグーンが。隣接する神戸須磨シーワールドでは、シャチとイルカのスタディアムがありパフォーマンスを楽しむことができる。

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SUMA SEASIDE PARK
須磨海浜公園

兵庫県神戸市須磨区
若宮町1丁目3須磨浦通1丁目1
https://kobesuma-seaside-park.jp


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