2020年の東京五輪をテーマに、日本の応援ダンスを繰り広げたMemorable Moment=19日、東京・有楽町の「東京国際フォーラム」 (写真・田中幸美)

「Legend TOKYO7」に4代目レジェンドの「Memorable Moment」がゲスト

演劇, カルチャー

 観客を楽しませるダンス・エンターテインメント作品という観点から、コレオグラファー(振付師)の才能と実力を競うコンテスト「Legend TOKYO」。7回目となる大会がこのほど、東京都千代田区の「東京国際フォーラム」で行われましたが、コンテスト以上に話題になったのが、歴代のグランプリ受賞者、いわゆる〝レジェンド〟たちの豪華なゲスト競演です。

「ニッポンチャチャチャ!」。ゴールドの衣装は金メダルを連想させます=19日、東京・有楽町の「東京国際フォーラム」 (写真・田中幸美)


 2011年に初代王者として〝ファーストレジェンド〟の称号を手にした長谷川達也さん主宰の「DAZZLE」がダークで完璧な世界観を披露したのをはじめ、第2回大会の覇者、伊藤今人さん率いる「梅棒」は、戦隊モノをテーマに、笑い爆発のステージで大いに沸かせました。

「ニッポンチャチャチャ!」は日本への応援ダンス


 そして第4回の〝レジェンド〟「KAORIalive」(カオリアライヴ)さんがリーダーを務める「Memorable Moment」(MM・メモラブルモーメント)は、2020年の東京五輪をテーマに、日本の応援ダンスを繰り広げて大きな拍手を浴びていました。

3曲から構成されている「ニッポンチャチャチャ!」


 タイトルは「ニッポンチャチャチャ!」。誰もが知っている日本チームを応援する際の合言葉ですね。KAORIaliveさんは、「生きている間に日本でオリンピックが開催されるなんて経験はできない人の方が多いですよね。この機会を逃したらもう次はないと思う」と、テーマ選択のきっかけを話しました。
 さらに、日本は地震や台風などの災害が起きても、さまざまな困難を乗り越えて再生へと向かい、そうした日本の姿勢はたびたび世界の国から称賛されます。そんなパワーに満ちた日本にエールを送ろうと、「明るいエネルギーに満ちた作品にしたい」と思ったそうです。

MMは圧倒的にそろえられた群舞が特徴


 作品は5分弱で、3曲から構成。曲調は異なりますが、根底に流れるのは〝ニッポン応援ダンス〟です。8人のMMメンバーに加え、オーディションで選ばれたダンサーと合わせて約70人の群舞は圧巻です。

群舞だけでなく、ソロやデュオのダンスも盛り込まれます


 金メダルを連想させるゴールドの衣装から、日本選手団のユニホームにたびたび登場した赤と白を基調とした衣装など、見ていて楽しく、MMのポジティブパワーが伝わってきます。そして、最後には元気に笑顔になれます。

オリンピック開会式のセレモニーを連想させるパフォーマンス


 KAORIaliveさんは、ミュージカル「1789-バスティーユの恋人たち」など宝塚歌劇団の振り付けを手がけ、ミュージカル専門誌「月刊ミュージカル」の「ミュージカルベストテン」で2015年の「振り付け賞」にも選ばれた実力派です。最近ではダンサーとしてだけではなく、振付師として仕事の幅を広げています。

MMメンバーと、総合演出と振り付けを担当するリーダーのKAORIaliveさん(前列左から2人目)


 昨年10月には、2020年の東京五輪・パラリンピックなどに向けたキックオフイベント「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」の文化イベントで、パフォーマンスの中核となるダンスパートの振り付けも担当しました。
 東京五輪の開会式や閉会式の文化イベントにも「なんらかの形でかかわれたらいいなと思います」とKAORIaliveさん。
 「ニッポンチャチャチャ」を見ていると、東京五輪のセレモニーが目に浮かんできます。
 
(写真はすべて田中幸美)

◆Memorable Momentは、10月22日(日)午後2時から、愛知県東海市大田町下浜田137の「東海市芸術劇場」で、新作公演「ロミオが描いたジュリエット」を行います。問い合わせは☎0562・38・7030。


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