昭和33年に開店の「カド」。ビクトリア調のインテリアで揃えられた店内は、作家・志賀直哉の弟である建築家の志賀直三が設計

「カド」に聞く、押上と喫茶のはなし。[押上で、喫茶のひとときを 01]

GOURMET, ODEKAKE

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押上喫茶のルーツをひもとく

 訪れたのは、押上駅から歩いてほど近い、向島。新橋、赤坂、神楽坂、芳町(旧・日本橋人形町)、浅草とともに東京六花街のひとつとして数えられ、芸妓さんや料亭客が集まる粋な街だ。
 「昔は固定電話しかなかったでしょう。このあたりの料亭にくる旦那たちは、ここに電話をかけてきて待ち合わせ場所にしていたんです。昔は、そういうお店がたくさんありましたね」
 そう話すのは、「カド」の2代目店主、宮地隆治さん。当時のこの町の喫茶店は、料亭客の待ち合わせ場所として重宝されていたそう。
 「最盛期、料亭200軒に芸妓4000人が、向島にはいたとも聞きます。墨田区の中でも異質なカルチャーですよね。今、この店には、観光客や芸術を志すお客さんが多いです」
 押上周辺には、老舗の純喫茶に加えて、古民家をリノベした喫茶店、スタイリッシュなコーヒースタンドなどもあって、一息つける、やさしい時間が流れている。その背景には、
花街最盛期の喫茶文化の名残や下町情緒があり、東京スカイツリー開業をきっかけにした新しい風が吹いたことが大きいだろう。そして、かねてから"ものづくり"が盛んなこの
町ならではの気風も変わらず息づいている。


 ゴールデンウィークも終わり、さあ、これから! なんて思っていたのに、いまいち力が湧いてこない…。そんなときは、無理せず、押上喫茶で、そっと小休止してみませんか。

#昭和5年につくられたアメリカ製のレジスター。会計時には勢いよく「チーン!」


#カウンター奥、天井にまで飾られた油絵は、宮地隆治さんの父である先代が収集していたもの。「年に一回、気分によって絵を入れ替えるんです」


#人気の「活性生ジュース」(556円)と「くるみブルーベリーパンのナスとモッツァレラチーズサンド」(371円)。生ジュースは創業当時、二日酔いの芸者さんや男性客に好んで飲まれ、「今でいう栄養ドリンク」だったとか。


#天井やテーブルにわたって描かれた花柄は、宮地さん自身の手描き


#店内にはまだまだ現役の黒電話と足踏みミシンも。宮地さんの洋服は、すべてこのミシンでハンドメイド


#カウンターの両端には真空管のラジオが。これも創業当時からの風景だ


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KADO

墨田区向島2-9-9
[TEL]03-3622-8247
[営]11:00〜21:00
[休]月

[02]押上喫茶に来たなら、この一品。




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