LEGENDS!
「白山湯」 店主
白田敏博 さん
枝川で生まれ育ち、高校卒業後、海上自衛隊に入隊。13年間の勤務を経て、祖父の代から営んできた銭湯「白山湯」の3代目として、家業を継ぐ。地域に愛される銭湯として、近隣住民の憩いの場になっている。
地域でつながる銭湯文化を、次世代に残したい
Q1.銭湯の文化は、変わってきていると感じますか?
「昔は、家に浴室がない家庭も多かったので、日常の入浴で来るお客さんもたくさんいました。けれど、最近はそういう家庭も少なくなりましたし、銭湯は特別なときにしか行かない場所になっています。そのためか、お風呂の入り方を知らない子供が増えていると感じるんです。我々としては、銭湯の文化を守っていきたいし、さまざまな世代にお風呂を楽しんでほしい。子供たちにお風呂の楽しさを知ってもらうために、お風呂の基本的な入り方をレクチャーする“浴育”をやりたいと長年思っています」
Q2.豊洲で働いていて、やりがいを感じるのはどんなときでしょうか?
「お客さんから『さっぱりした』『気持ちよかった』と言ってもらえることがいちばんですね。入浴は、毎日を健やかに過ごすために必要なことですし、暮らしを守るうえで大切なことです。私は若い頃、海上自衛隊にいた経験があるので、災害後に自衛隊が簡易的に浴場をつくっているニュースを見たときは、人一倍感じるものがありました。地域のみなさんの暮らしを守っているんだと思うと、身が引き締まりますし、この仕事のやりがいを感じます」
Q3.白山湯を、これからどんな場所にしていきたいと考えていますか?
「いまは、ひとり暮らしの高齢者も多いので、“〇〇さん、最近見ないよね”といった会話をお客さんとすることもあります。近隣に住む人を地域全体で見守っていこう、という意識は常にありますね。うちでお客さん同士が会話を楽しんだり、うちに来るまでの少しの散歩が気分転換になったり、“お風呂に入る”という目的のほかにも、地域のみなさんにとっての心のより所となることができたらうれしいです。これからも、地域に愛され続ける銭湯でありたいと思っています」
SPBS TOYOSU スタッフ 杉本彩佳 さん
地域とのつながりを大切にされていて、みんなにお風呂を楽しんでほしい、という白田さんの純粋な想いが強く伝わってきました。豊洲が、古き良き文化と現代の新しい文化が融合した、ほかにはない魅力であふれる街であることを再認識しました。
HAKUSANYU
江東区枝川1-6-15
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[営]月〜金・日 15:00〜23:30
[休]土