《これが相互理解の第一歩》データで知る日本のジェンダーギャップ[相互理解の現在地]


 「ジェンダー後進国」と言われる日本。実際にどんな課題があるのか、さまざまなデータをもとに考えてみよう。


世界と日本を比較!
データから見えてきた日本の課題とは?

 まずは下のジェンダーギャップ指数ランキングを見てほしい。ジェンダーギャップ指数とは、男女格差度合いを示すものだが、日本はなんと120位。つまり、このランキングを見る限り、日本は世界各国に比べて男女格差が大きい国なのだ。

 掲載されている図説は、「Yahoo! JAPAN SDGs」というWEBサイトの企画の一環で公開されたコンテンツから抜粋したもの。このサイトでは、SDGs関連のさまざまな情報を知ることができるが、いま世の中で注目度の高い社会課題についても、グラフィックを用いてわかりやすく解説してくれる。このジェンダーギャップの特集が公開されたのは、昨年7月。なぜ、そのタイミングでこの特集をつくったのか、制作を担当したYahoo! JAPANの金原洋子さんに話を聞いた。

 「私たちは、即時性の高いニュースを伝えるだけではなく、じっくりと考えるべき社会課題についても情報を提供し、問題解決のきっかけにつながればと思っています。去年の春頃は、五輪関連での女性蔑視発言やCM動画の炎上などが世間でも大きな話題となりました。ジェンダー問題が、みんなの関心事として浮き彫りになったのです。けれど、ジェンダーの問題はとても複雑。ニュースを追うだけでは、問題の本質にはなかなか辿り着くことができません。そこで私たちは、ジェンダーギャップをより俯瞰的に捉えることができるコンテンツをつくることにしました。その切り口として注目したのが、ジェンダーギャップ指数です。ランキング上位国と日本を、さまざまなデータをもとに比べることによって、日本の抱える課題を紐解いていきました」

 その結果わかったことは、日本はジェンダー先進国に比べて「政治」と「経済」の分野で意思決定層に女性が少ないということ。政治に関して言えば、世界各国がこの数十年間で女性の政治参画が加速しているのに対し、日本の女性政治家の数は伸び悩んでいる。企業で管理的立場に就く女性の数も、諸外国の半分以下でしかない。もちろん、その原因は法律的なものであったり歴史・文化的なものであったりと多岐にわたる。解決することは、簡単ではない。だからこそ、一人ひとりが自分ごととして問題を考え、解決に向けて意識を変える必要がある。その出発点として、まずは日本のジェンダーギャップの現在地を客観的に知ることが重要だと金原さんは言う。

 「調べれば調べるほど、問題の背景にはさまざまな要素が複雑に絡み合っていることがわかりました。当然、人によって意見も異なるし解決の方向性も変わってくるはずです。だから、互いの考えを理解し、尊重しながら、みんなで議論を進めていく必要があります。そのために、明確なファクトをまずは知る。それが立場の異なる人同士が、同じ土俵で話をするための第一歩であり、この特集がそのきっかけになってくれればと思っています」

 “違い”を理解し尊重する。その姿勢なくしては、相互理解は始まらない。

 特集の公開後、SNS上では異なる多様な意見が飛び交ったという。まずは、どんな意見があるのか知ることから始めてみてもいいかもしれない。

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《教えてくれたのは》
Yahoo! JAPAN
グラフィック プロジェクト マネージャー
金原洋子さん


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日本は156カ国中120位、G7で最下位という結果に。上位は軒並み北欧勢が占める。
こうした国々と日本の違いはどこにあるのか?

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日本の課題は「政治」「経済」。


WHAT'S THE PROBLEM

《課題1》「政治」のジェンダーギャップ

世界と比較すると、日本では女性の政治参画が極端に低い。世界全体で女性議員の割合が25.5%なのに対して、日本は9.9%と低迷している。

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出典:IPU「各国議会の女性進出に関する2020年版報告」

この40年間で諸外国の女性の政治参画は加速。日本はこの10年あまり伸び悩み、G7で最低。

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※上記は、Yahoo! JAPAN掲載時の2021年6月時のデータ。2022年2月現在、女性閣僚は3人に増えているが、依然としてその比率は低い水準にある。

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47人のうち、吉村美栄子氏(山形県)と小池百合子氏(東京都)の2人。


《課題2》「経済」のジェンダーギャップ

日本では、女性が活躍するための「就業機会」は整えられてきたが、それが正当なキャリアアップにつながっていないという実態が大きな課題になっている。

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出典:内閣府「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」

働いている女性の割合は世界各国と大きな差はないが、管理的立場(企業の課長職以上など)の女性は14.8%と諸外国の半分以下。同じアジアのフィリピンでは50%を超えている。

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出典:内閣府「階級別役職者に占める女性の割合の推移」

日本においても、民間企業の女性役職者は増加傾向にある。ただし、そのボリュームゾーンは係長クラスで、課長以上は10%以下にとどまる。

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出典:総務省統計局「平成29年就業構造基本調査」

国内の起業者(自営業主、会社などの役員)のうち女性の割合は約2割。
しかも個人で比較的小規模な起業が多い。


《「政治」と「経済」の分野で共通した課題》
「意思決定層」に女性が圧倒的に少ない

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データを紐解き見えてきたことは、意思決定の「場」に女性が少ないということ。けれどその一方で、近年ではジェンダーギャップ改善に向けた機運も高まってきている。たとえば、各国が取り入れている女性政治家の数を増やすための「クオータ制」導入の議論が始まっていたり、経産省と東証が女性の活躍推進企業を「なでしこ銘柄」として公表。ジェンダー平等社会のためのさまざまなアクションが、現在進行形で進んでいる。


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Yahoo! JAPAN SDGsではジェンダーギャップ特集第二弾も公開中!

Yahoo! JAPANでは、今月からジェンダー特集第二弾が公開中。いま国際的にも注目を集める「賃金格差」をテーマに、日本のジェンダーギャップを見つめていく。下記URLから、サイトを訪れてみてほしい。
https://sdgs.yahoo.co.jp/special/gender2.html





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