忙しい毎日の中で、自分のケアを後回しにしている人も多いのでは?たくさんお金をかけなくても、地道なケアを頑張りすぎなくても、小さな工夫で、毎日の生活を少しずつ変えていくことができる。実際にいま第一線で活躍する人はどんなことを意識しているのか?ここでは、5人のトップランナーが普段取り入れているケア方法をご紹介。健やかで幸せな毎日のために、まずは自分の心身の声に、耳を傾けることから始めてみよう。
機嫌よく過ごすための環境を整えることが
私にとってのセルフケアです。
「心身ともに調子よくあるために大事にしていることは、できるだけ機嫌よく過ごすこと。そのための工夫をたくさんしています」と語るのは、産婦人科医の高尾美穂先生。機嫌よく過ごすためには、自分の望みが叶う環境を整えることが必要だ。環境を整えるには周囲との調整が必要になることもあるが、自分でコントロールできる部分もあるという。
「生活、さらに言えば人生において、自分の身のまわりのことなら自分で決められることが多かったりします。私の場合、たとえば帰宅後には自然に眠くなるようなルーティーンを組んでいます。帰ったらまずお風呂に入って気分を切り替え、洗濯機を回し、歯磨きなど目が冴えてしまうことは早めに済ませて、22時には飼っている猫と一緒に眠りにつく準備を整えます。愛猫と触れ合う時間も、日々をご機嫌に過ごす秘訣です」
周囲との兼ね合いで快適に過ごせそうにない場合でも、「少しでも快適さを手に入れようという意識を持つといい」と高尾先生。たとえば通勤電車で汗をかいたら会社でインナーを着替える、満員電車を回避するために乗車時間をずらすなど、変えられる部分から変えてみることが快適への近道だと話してくれた。
「自分が機嫌よく過ごすために、生活全体を眺めて工夫できることを探してみてください。私の場合、遊びのスケジュールを先に入れることも、そんな工夫のひとつです。最近では季節を感じられる楽しみをつくりたいなと思い、夏の間の水曜日と日曜日は泳ぎに行く日と決めて、スケジュール帳に書き込みました。仕事が入ったとしても、『プールならすき間の時間に行けるかな?』と、少しでも楽しむ方法を探すようにしています」
高尾先生は、常に「何か楽しいことはないかな?」とアンテナを張り、遠方への出張が入れば、その近隣で面白そうなことを探して予定に組み込むことも忘れない。忙しい日々が続いても、自分で調整できる範囲で楽しみをプラスできれば、軽やかな気持ちで毎日を過ごせそうだ。
高尾美穂先生
医学博士、産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者。東京慈恵会医科大学大学院修了後、同大学附属病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て、現在「イーク表参道」副院長。著書などを通して、女性の健康やセルフケアについて広く発信している。近著に『人生たいていのことはどうにかなる』(扶桑社)がある。
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非日常の空間
夏の間は海に通って
非日常を楽しんでいます
海やプールに浮いている時間は、自分へのご褒美タイムです。マスク生活が長引く中、車で海に行って海水浴をしてみたら、すごく爽快でやみつきに。旅行やライブなどのイベントごとを早めに入れると、その日から当日まで、楽しみで幸せな気持ちが続きますよね。だから、楽しい予定は早めに入れるといいと思います。そうすれば人生全体の幸福度も増すのではないでしょうか。非日常の環境に身を置いて心にゆとりを持つことも、健やかな毎日のために大事なことです。
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猫と過ごす時間
猫との触れ合いは
何にも代えがたい癒やしです。
3匹の猫たちと過ごす時間は、私にとって癒やしのひとときです。もう、猫さまさまです(笑)。猫が私の暮らしに平和と幸せをもたらしてくれています。長生きしてね、と猫たちには毎日語りかけています。私の場合、家で自分以外のためにしなければならないのは猫たちのお世話くらい。でも家族と暮らしていたり、子育て中だったりすれば、暮らしを自分の思うように整えられないこともあるでしょう。できるところから、少しずつ楽しい方向に変えられたらいいですね。