職場で不調を打ち明けやすい土壌がなければ、つらくても我慢してしまいがち。対話できる職場づくりのために、大切なのが管理職の役割だ。
《TALK SESSION》
女性のキャリアアップの悩みを改善するために
令和のリーダー像を探る
session
職場の心地よい対話はどうやって生まれる?
ヒントはマネジメント改革に「年功序列・上意下達」
“昭和型”コミュニケーションを越えていこう
登壇者(写真右から)
EVeM Evangelist/Executive Trainer
滝川麻衣子さん
大学卒業後、産経新聞社入社。記者として活躍後、Business Insider Japanの立ち上げに参画。記者・編集者、副編集長として働き方や生き方をテーマに取材。現在は、マネジメントメソッドおよびトレーニングを提供するEVeMに所属。
産経新聞記者
篠原那美さん
2002年入社。さいたま総局、東京本社社会部、文化部などを担当。現在、産経ニュース「フェムケアプロジェクト」特集サイトで、【性ホルモンを学ぶ】【みんなで考える 思いやりのカタチ】【学び直す大人の性教育】を連載中。
職場のモヤモヤの根底に
世代間ギャップがある
このトークセッションでは「心地よい対話が生まれる職場環境づくり」について、長年新聞記者として女性の働く環境を見つめてきた経験を持ち、現在はマネジメントメソッドやトレーニングを提供する株式会社EVeMで活躍する滝川麻衣子さんをゲストに迎えてトークを展開した。
「働きやすい職場づくりでは、年功序列や上意下達の昭和型コミュニケーションの見直しが必要です。なぜなら、最近の職場は、世代間ギャップが以前より多様化しているから。昭和型組織で育った世代、就職氷河期世代、D&Iを重視した教育を受けた世代と、同じ組織内にさまざまな世代がいて価値観のギャップが大きくなっています」
また、コンプライアンスを意識しすぎて萎縮してしまう「オーバーコンプライアンス」や、終身雇用型だけではない多様な雇用形態の人が集う「雇用の流動化」も組織のコミュニケーション不全の背景にあるという。そうした複雑な職場で重要となるのが「管理職」だ。
管理職が変われば
職場も変わる
「従来の組織の人間関係は上司や先輩に黙って従うシンプルなものでしたが、中途採用や業務委託などが混在する多様化した現代では、管理職もプレイヤーも対等であり、それぞれの役割を担ってチームを組んでいるととらえるべきです。背景が異なる人たちと仕事をする上で重要なのは、目的や戦略を共有することで、そのためにもコミュニケーションは重要です」
人は感情の生き物であり、たとえ論理的に正しい指示であっても、信頼関係がなければ人は動かないもの。そこで管理職はメンバーと感情でつながることも必要だ。滝川さんの所属するEVeMでは「信頼関係3点セット」を推奨している。
「まず、『自己開示する』こと。自分がどんな人間かを伝えない限り、相手も心を開いてくれません。2番目には『全身全霊、全人格をもって相手の話を聞く』こと。ただでさえ権限の格差がある関係性ではそうしないと本音を話してくれないでしょう。そして3番目に『教えてもらう』ことです。たとえばAIについて知りたいなら若手に聞いたほうが早いときもあります。上司がいつも答えを持っているとは限りません。いま、管理職に求められるのは、人より多くの実績を持っていることではなく、仕事をするメンバーといかに信頼関係を築いていけるかです。そう考えると女性も、もっと気軽に管理職に挑戦できるようになるのではないでしょうか」
心地よい対話が生まれる職場づくりでは、管理職とメンバーとの間だけではなく、メンバー同士の一歩踏み込んだ相互理解も重要となる。組織を構成する一人ひとりが、周囲の人との信頼関係づくりを心がけ、みんなが働きやすい職場を目指したい。
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https://www.sankei.com/special/femcareproject/event/2025-mar/