「世界のNINAGAWA」と呼ばれた不世出の演出家、蜷川幸雄氏が逝って1年。長女の写真家、蜷川実花さん(44)が父の最期の日々を撮った写真集『うつくしい日々』(河出書房新社)がこのほど刊行され、同名の展覧会も原美術館(東京都品川区)で開かれている(19日まで)。
まばゆい光に包まれた花や木々、街の日常。その色合いや明度は、これまでの作品とは大きく違っている。
「父と私の目が、多少シンクロしていたと思う。こんなに桜ってきれいだったっけと染み入ったり、何てことない横断歩道がまぶしく見えたり…」。病室の父が外に出ることはもうないだろうと思いながら、娘はシャッターを切り続けた。「こんなに世界はうつくしく、こんなうつくしい世界と、人はいつか別れていくんだな、と」
