関東地方では梅雨明けが待たれますが、18日にすでに梅雨明けした京都では夏本番です。そんな中、盆地特有の蒸し暑さも吹き飛ぶようなひんやりしたお祭りが今、京都で行われています。下鴨神社(賀茂御祖神社・かもみおやじんじゃ)の「みたらし祭」です。これは、暑さをしのぐためではなく、土用の丑の日(今年は30日)近くに御手洗川に足を浸して無病息災を祈願する夏越しの例祭で、「足つけ神事」ともいわれます。
みたらし祭が行われるのは、下鴨神社の末社、御手洗社(みたらししゃ・井上社)です。ロウソクを手にして普段よりも水かさの増した御手洗川の中に入ります。普段はこの御手洗川に入ることはできませんから、祭は唯一川に入ることのできる貴重な機会です。
赤い太鼓橋の手前から膝くらいまでつかりながらどんどん進んでいき、橋をくぐったところでロウソクに明かりをつけます。御手洗川の水は地下水なので1年中温度変化が少なく非常に冷たくて、長時間入っていると足が痛くなるほどです。「きゃ~冷たい!」という叫びがあっちこっちから聞こえてきます。
赤い太鼓橋の手前から膝くらいまでつかりながらどんどん進んでいきます
さらに進むと視界が開け、御手洗社近くにロウソクを供えるための長い燭台が見えてきます。そこにロウソクを供えて無病息災を祈願します。みたらし祭は1日中行われていますが、とくに日没からの時間帯は、ロウソクの火が水面に反射してとても幻想的な雰囲気の中で祭体験ができます。
みたらし祭は、平安貴族が行っていた穢れ(けがれ)を祓う禊祓い(みぞぎはらい)に由来する伝統行事です。今ではこうした足つけ神事に加え、足型のお札に名前と年齢を書いて納め所の水に浮かべ、人形に見立てたみたらし団子を食べて無病息災を祈るのです。
この夏、京都への旅行を計画されているのなら、是非訪れていただきたい祭りです。
下鴨神社のみたらし祭は、31日(日)まで。平日は午前5時30分~午後9時、金、土、日は午前5時30分~午後10時まで。灯明料300円。
ロウソクの火が水面に反射してとても幻想的な雰囲気です
御手洗社近くの燭台にロウソクを供えて無病息災を祈ります
浴衣姿の女子も裾をまくって参加します
みたらし祭は、デートにも最適ですね