「マイブーム」「ゆるキャラ」の名付け親であり、仏像ブームなどを牽引(けんいん)してきた作家・イラストレーターのみうらじゅんさん(60)。サブカルチャー界の奇才も還暦を迎え、公立美術館で初となる大規模個展「みうらじゅんフェス! マイブームの全貌展」が川崎市市民ミュージアム(神奈川県)で開催中だ。幼少期から現在まで、集めに集め、作りに作った圧倒的数の展示物は、あきれるほどばかばかしくて、あきれるほど感動的。本人は「60年間の頭の中、みたいなものかな」と話す。(黒沢綾子)
「公立の美術館で僕の個展を開くこと自体、おかしい」。みうらさんは笑いつつ言葉を継ぐ。「誤解を生むには絶好の場所だよ」
アートなのか文芸なのか、はたまた民俗資料なのかどうかは見る人が決めればいい。公立という“権威”がお墨付きを与えるとすれば、それも面白い。だけど、恐らく「僕以外の人には無意味なものがわんさと集まってる」。