両親がベトナム出身で自身はアメリカ生まれのヴィクター・ヴー監督が、ベトナムの人気作家、グエン・ニャット・アインのベストセラー小説を映画化。ベトナム南中部の素朴な田園地帯を背景に、ファンタジー色を盛り込んで兄弟の成長物語を織り上げた。
1980年代後半、貧しい農村に暮らすティエウとトゥオンは、いつも一緒にいる仲のよい兄弟だった。ある日、近くに住む少女、ムーンを、兄弟の家でしばらく預かることになる。ムーンに気のあるティエウは、幼い弟が無邪気にムーンと仲よくしているのが気に入らない。その嫉妬心はやがて取り返しのつかない悲劇を生む。
小高い丘と田畑が連なる上空からの映像など、美しいベトナムの風景を誇りに感じているヴー監督の思いが随所に現れ、心に染みる。