トルコの古都、イスタンブールは野良猫が多いことで知られる。その猫たちの暮らしぶりと人間とのかかわりを、この街で生まれ育った米国在住のジェイダ・トルン監督が徹底的に猫目線で追いかけたドキュメンタリー映画だ。
主人公は7匹の猫たち。サリと名づけられた虎猫は、どこかから盗み出した魚の切り身をくわえて雑踏の中をとことこと歩く。カメラが追いかけていくと、おなかをすかせた子猫たちが母親の帰りを待ちわびていた。ほかにも高級レストランのドアの前で待ち続け、決して店内には入らずにおねだりをするデュマンなど、何とも人間くさい野良猫たちの生き生きとした日常が切り取られている。
と同時に、猫について話す住人たちの幸せそうな表情が実に印象的だ。