『君の名前で僕を呼んで』の一場面 ©Frenesy, La Cinefacture

1980年代の北イタリアが舞台の魅惑的な“傑作映画” 『君の名前で僕を呼んで』


 エジプト生まれのユダヤ人作家 アンドレ・アシマンの小説「Call Me By Your Name(邦題:君の名前で僕を呼んで)」(2007年)を、『日の名残り』(1993年)などで知られる米映画監督・脚本家 ジェームズ・アイヴォリーが脚色。イタリアの映画監督 ルカ・グァダニーノがメガホンを取った作品で、今年のアカデミー賞では、アイヴォリーが脚色賞を受賞しています。

 1983年夏、北イタリアの避暑地が舞台。家族とバカンスを楽しむ17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、ギリシャ=ローマの美術史学を専門にしている大学教授の父親(マイケル・スタールバーグ)が招いた24歳の大学院生 オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会います。エリオとオリヴァーは一緒に自転車で街を散策したり、川で泳いだり、午後のひと時を、17世紀に建てられたヴィラで一緒に過ごしたり・・・。エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていきます。

 この作品で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた新星 シャラメと、『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015年)や『ジャコメッティ 最後の肖像』(17年)などに出演しているハマー。2人がまばゆい夏の光の中で、激しく恋に落ち、複雑な感情にさいなまれる青年を好演しています。

エリオを演じるティモシー・シャラメ(左)と、 オリヴァー役のアーミー・ハマー ©Frenesy, La Cinefacture


 中盤までは、同性愛者の恋物語かと思いきや、後半にかけて、加速度的に深いテーマを追求している作品であることに気づかされます。特に、父親がエリオにかける言葉が素晴らしいです。また、英語やフランス語、イタリア語など、さまざまな言語が飛び交う“自由”なユダヤ人社会も新鮮です。

 ジェンダーフリーが叫ばれている昨今ですが、何かを愛するというスタイルには、ギリシャ彫刻のようにすべてを超越した美しい形があることを教えてくれる作品です。4月27日(金)から、TOHO シネマズ シャンテほか、全国でロードショー公開されます。


君の名前で僕を呼んで

監督:ルカ・グァダニーノ

脚色:ジェームズ・アイヴォリー

原作:アンドレ・アシマン「Call Me By Your Name」

出演:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサールほか

公開日:2018年4月27日(金)

提供:カルチュア・パブリッシャーズ/ファントム・フィルム

配給:ファントム・フィルム






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