18年ぶりの長編映画を世界は大喝采で迎えた。東京・新宿シネマカリテなどで全国順次公開中の「心と体と」は、ハンガリーのイルディコー・エニェディ監督(62)が夢と現実を織り交ぜて紡いだ大人の恋の物語で、昨年のベルリン国際映画祭では最高賞の金熊賞に輝くなど各国で高く評価された。「日本でも受け入れてもらえるといいのですが」と監督は笑顔で語る。(藤井克郎)
「心と体と」は、一種独特の不思議な雰囲気が漂う作品だ。食肉処理場で働き始めたマーリアと上司のエンドレは、なかなか会話がかみ合わない。だが同じ夢を見たことがわかり、2人の関係は急変する。
この夢というのが、自分は鹿になっていて、森の中で相手の鹿と仲むつまじく暮らしているというものだが、冒頭から何の説明もなく鹿の映像が流れて戸惑いを覚える。極めて革新的な試みにも思えるが、「私はごく普通の恋愛映画だと思っている。むしろ古典的というか、今のトレンドからは外れているので、メジャーな映画祭にかけるのは無理だろうといわれていました」とエニェディ監督。
