昨年5月、カンヌ国際映画祭に参加して最も印象に残っているのは、この作品を見たときのことだ。何しろ約千席が埋め尽くされたプレス上映会で、まだ映画の途中から怒号と歓声が飛び交い、異様な雰囲気に包まれた。当方は大興奮、大満足の作品だったが、その「ネオン・デーモン」が1月13日、全国で封切られた。公開を前に来日したデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督(46)は「私ができることは自分の好きな映画を作ることだけ」と笑顔を見せた。(文化部 藤井克郎)
デジタル時代の美を映す
「最初から物議を醸すような作品を狙おうとするなら、それは世の中の一部にしか応えていないことになる。金もうけしか考えていない行為ですからね。賛否両論は、全ての作品について起きることじゃないでしょうか」とレフン監督は穏やかに話す。
「ネオン・デーモン」の舞台は米ロサンゼルス。モデルを目指して地方から出てきた16歳のジェシー(エル・ファニング)は、その美貌で有名カメラマンや一流デザイナーを一瞬でとりこにする。
