20世紀初頭のフランスに実在した黒人芸人、ショコラの物語を、俳優でもあるロシュディ・ゼム監督が映画化した。落ち目の芸人、フティット(ジェームス・ティエレ)は、地方巡業のサーカス一座に出ていた黒人青年(オマール・シー)に目をつける。フティット&ショコラとしてコンビを組み、一躍人気者となるが…。
黒人差別の激しかった時代背景に笑いを絡ませつつ、2人の友情と葛藤を描く。ショコラを決してかわいそうな人とはとらえておらず、単なる社会派映画にとどまらない重層的な深みを感じさせる。21日、東京・シネスイッチ銀座で公開。1時間59分。(藤)