摂食障害に苦しんだ自らの経験を、慈しみあふれる映像作品に織り上げた。東京・テアトル新宿で開催中の「田辺・弁慶映画祭セレクション2017」で上映される「空(カラ)の味」は、塚田万理奈監督(25)が初めて手がけた長編映画だ。昨年11月に和歌山県田辺市で開かれた同映画祭でグランプリなど4冠に輝く高い評価を受け、満を持して東京でのお披露目となる。
高校生の聡子(堀春菜)は、自分の身に違和感を覚えるようになる。ごはんの代わりに無性にスナック菓子が食べたくなり、夜中に親に隠れてむさぼり食う毎日。ある日、マキ(林田沙希絵)という女性と出会って心が楽になるが…。
大学生のときの実体験を基にしているという塚田監督は、実際にマキのモデルとなっている女性に出会って、初めて苦しい胸の内を明かすことができた。