1人の女性が生涯で使うナプキンの量は約1万2000枚。長期的に使う大事なものなのに、それがどのようにつくられ、人体に、環境にどんな影響があるのか、意外とみんな知らないのでは?

スージー:小木さん、よろしくね。
小木:僕は、この業界に関わって20年くらい。世界中のオーガニックコスメを扱うお店をリサーチしてきましたが、素敵なお店には絶対置いてあるのが《ナトラケア》の生理用品です。でも、日本では扱えなくて、それがずっと悔しかった。コスメキッチンでの先行販売が決まったときは嬉しかったなぁ。
スージー:私も日本の皆さんにも届けることができて嬉しいわ。私が《ナトラケア》を始めたのは今からちょうど30年前。当時は環境活動家として、地球環境を守る活動をしていました。それである日、気づいたんです。生理用品が地球環境に悪い影響を及ぼしていると。
小木:それはつまり?
スージー:生理用品を生産したり廃棄する過程で、塩素やダイオキシンが発生して、環境を汚染していたんです。しかも吸収剤などは石油由来素材、コットンですら栽培に大量の農薬が使われている。女性の肌を刺激する物質がたくさん使われていました。
小木:それで、《ナトラケア》を始めたんですね。
スージー:ただNOと言うことは簡単だけど、ちゃんと他の選択肢を提案したかったの。それで1989年に、オーガニックコットンのナプキンをつくりました。
小木:最初からすんなりと世に受け入れられたんですか?
スージー:もちろん大変だったわ。当時は女性の生理について語ることはタブーだったし、インターネットもないからみんな自分たちがどんなものを使っているかという知識もなかったから。
小木:日本も変わりつつはあるけど、生理の話はいまだにオープンにしづらい状況。スージーは、まさにパイオニアだね!
スージー:海洋プラスチック問題についての取り組みも、私たちは1996年から始めていたわ。《ナトラケア》の製品は土に返ります。私は、商品を売りたいわけじゃない。地球や人の抱える課題への解決策を提案したいんです。それも大きな問題になる前に先回りしてね。
小木:その考え方、とても共感できます。本当に素晴らしい!僕らはセレクトショップだから、いろいろなアイテム、選択肢をお店に並べることも必要だけど、それ以上に大切なことが“本物”であるということ。だから、今までも、そしてこの先も《ナトラケア》以外のナプキンを扱うことはないと思う。
スージー:ありがとう!
小木:《ナトラケア》を通じて、生理や環境についての会話が生まれて、正しい知識が広がるようにしたい。それにタブーと思われていることが普通に話せる世の中にならないと、本当の意味でマイノリティ問題の解決やダイバーシティの実現もできないと思うんだよね。
スージー:You are my brother!そのとおり!
小木:最後に、読者にメッセージをお願いします!
スージー:オーガニック製品は高いけれど、それを選ぶことは、人にはもちろん環境にもいいんです。けれど安いものを選べば、環境破壊にお金を払うことになるかもしれない。環境のためにコストを払っているからこそ、オーガニックを選ぶ必要が私たちにはあるんです。
小木:僕もスージーの分身として、日本で《ナトラケア》を広げて行きます!
《THIS MONTH GUEST》
natracare スージー・ヒューソン さん
テレビで「生理用品と環境汚染」に関する報道を目にしたことをきっかけに、1989年《ナトラケア》を創業。以来30年間、環境にも人にも優しい生理用品をつくり続け、現在では世界中の女性が愛用している
natracare
《ナトラケア》の製品は、塩素&高分子吸収剤フリー。オーガニック綿、パルプからつくる吸収剤、植物デンプン由来の包装紙にリサイクル紙の箱もすべて生分解可能!人にも地球にもやさしい
