《音楽日々帖》JAZZで踊る夏


 ジャック・ケルアック原作の映画『オン・ザ・ロード』(2012年)に、若者がジャズで乱舞するシーンがあります。ジャズで踊るなんてかっこいい。時代は1950年頃のアメリカ。その瞬間を全力で生きる若者の熱を感じました。2016年の夏はジャズ系アーティストのライブが目白押しなので、心に秘めた憧れを実行に移してみようかと思っています。

 フライング・ロータスやケンドリック・ラマー、ブランドン・コールマンなどの躍進で最近注目を集めるLAジャズですが、そのシーンと深いつながりのある気鋭のサックス奏者カマシ・ワシントンが今年のフジロックに登場です。彼のサックスはひとことで言うと怒どとう涛。ときに「もはやプログレでは?」と思わせるほど既成概念に縛られない突出した自由さで聴く者を揺さぶります。

 フジロックには、現代ジャズの旗手ロバート・グラスパーも来日。新譜はマイルス・デイヴィスのオリジナル録音をサンプリングした内容ですが、マイルスを引き合いに出したことで、よりグラスパーの創造力が際立つ結果となっています。20年にわたり多様な音楽を紹介し続けてきたフジロックは、新しいリスナー層にとってジャズへの入り口としてもぴったり。

 ユニークなイベントをもう1つ。7月に目黒で開催される「ジャズ・ワールドビート 2016」で、キューバ人ピアニストのオマール・ソーサとタップダンサーの熊谷和徳さんが異色のセッションをします。プロのダンサーが踊るジャズにもご注目を。

KAMASI WASHINGTON『The Epic』

スヌープ・ドッグ、チャカ・カーン、ケンドリック・ラマーなど数々の客演を果たしてきたサックス・プレーヤー。フライング・ロータス制作総指揮による初のリーダー作は怒涛の17曲174分!

BEAT RECORDS 2015

MILES DAVIS & ROBERT GLASPER『Everything's Beautiful』

マイルス生誕90年の今年、本作のほかロバート・グラスパーが音楽監督を手がけた伝記映画も公開予定。冷房の効いた部屋で、よなよな白ワインを片手に聴きたい1枚

ソニー・ミュージックジャパン 2016

OMAR SOSA, JOO KRAUS,GUSTAVO OVALLES『JOG』

ラテン・キューバン・ジャズのピアニストであるオマール・ソーサの共作スタジオライブ・アルバム。ラテン打楽器奏者によるリズムが際立ち、セッションならではの息遣いが感じられる

MUSIC CAMP, Inc. 2016


selection & text: 稲葉智美(いなば・ともみ)

ラジオDJとして活動するほか、BGM選曲やナレーションを手がける。フェスとライブを愛する音楽女子。今年のフジロックは初めて前夜祭から参加します!

Twitter: @tommyjan15





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