《音楽日々帖》山にちなんだ3枚


フェスとライブを愛する音楽女子、稲葉智美が気になるディスクをご紹介!今回のテーマは『山』。


 8月11日は国民の祝日、「山の日」になりました。音楽のジャンルには、マウンテン・ミュージックというのがあります。アメリカの東部、アパラチア山脈の南部地方から生まれた「スプラッシュ・マウンテンみたいな音楽」と言えば、女子の皆さんはイメージしやすいかもしれません。今回「山」にちなんだ3枚をご紹介いたします。

 まずは、エリザベス・ラプリール。現代のシンガーですが、彼女の声は聴く人を古きよきアメリカ南部へと誘います。玄関先で家族と楽器を鳴らして歌っているような、素朴で親しみのある音楽です。

 また、今年の4月には、バート・ヤンシュの“鳥ジャケ”アルバムが再発されました。収録されている6曲はすべてタイトルが野鳥の名前で表題の『Avocet』は「ソリハシセイタカシギ」だそう。木の温もりを感じるアコギとウッドベース。山小屋で薪割りしながら鳥のさえずりに耳を澄ませる、そんな夏を過ごしてみたいですね。

 最後は、幼少期の「山」の記憶を辿って浮かんだ尺八について。箏を習っていた私は、尺八の演奏を聴く機会がよくありました。都山流では襲名すると「稲葉◯山」のように名乗りますが、小学校に上がりたての私が唯一読めたのが「山」の字。よって「尺八=山」のイメージが刷り込まれたという訳です。雅みやびな箏の音に尺八が加わると、たちまち水墨画の霊山のような荘厳な景色が開ける。そんな気がしていました。音楽人生のルーツである純邦楽。そこにはくっきりと「山」の字が刻まれています。

ELIZABETH LAPRELLE『Rain and Snow』

11歳の頃からアパラチア音楽やオールドタイムの曲を歌ってきたシンガー。古きよき音楽に光を当て次世代に引き継ぐことをミッションにAnna &Elizabethというユニットでも活動中

OLD 97 WRECORDS 2004

BERT JANSCH『Avocet』

ジャケ買い必至の1枚。「鳥」をテーマにした1979年のインストゥルメンタルのコンセプトアルバムです。限定版はタイトルになった6羽の鳥のイラストと解説が入った絵本仕様。

Earth Recordings 2016

初世中尾都山『流祖 中尾都山 尺八名演集』

尺八の国内最大の流派である都山流。その創始者であり作曲家でもある初世中尾都山が、明治初期に残した貴重な音源を2012年にCD版として復刻させた、名演集です。

日本コロムビア 2012


selection&text: 稲葉智美(いなば・ともみ)

ラジオDJとして活動するほか、BGM選曲やナレーションを手がける。フェスとライブを愛する音楽女子。20年ぶりに筑波山に登ったらグッタリ。遠足で登ったのに…

Twitter: @tommyjan15





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