《お多福美人講座》姿勢が人生を変える

コラム

 小太りで背中を丸めた人物が、引き締まったボディーで素敵に変身して登場するCMを一時よく見かけました。たしかに痩せたこともかっこよく見えた一因ではありますが、たとえ体型が変わっていなかったとしても、背筋を伸ばして立てばそれだけで素敵に見えるはずです。

 芸者になって間もない頃は、お客様にお連れいただく慣れない高級レストランなどでとても緊張しました。どう振る舞っていいかわからないとき、そばにいたお姉さんに「背筋さえしっかり伸ばしていれば、気持ちいいもてなしを受けることができるし、周りの人に大切にしてもらえる。いい出会いにも恵まれるのよ。ところが姿勢が悪いと、それなりの扱いを受けて、それなりの出会いしか生まれないの。姿勢は人生をつくっていくのよ」と教わりました。

 姿勢という言葉は、「前向きな姿勢で取り組んでいる」とか「問題に取り組む姿勢が大事だ」というように、物事に取り組む態度を表す意味もあります。それは「どんな心でいるときに、どんな姿勢になりやすいか」ということを、人が感覚として十分にわかっていることの表れで、その姿勢によって物事がどう進むかまでおおよその予測がついてしまいます。医学的にも、猫背でいると自律神経の働きを阻害し、内臓疾患や便秘、肩こりや頭痛などを引き起こすと言われているそうで、見た目も老けて見えて、二重顎の原因になると聞けば、姿勢によって人生が変わっていくのも納得です。背筋が伸びていると自然と息が深くなり、瞳に入る光の量も変化して、キラキラとし始めます。また、日本舞踊を踊っているときには、よい姿勢ができていると、自然と天と地のエネルギーが自分の中を流れるような感覚が芽生えます。自信がないとき、緊張しているとき、辛いとき、悲しいときこそ、背筋を伸ばして深く息をして、よい未来を創っていきたいものです。


ちより

エッセイスト。元新橋芸者。著書に『捨てれば入る福ふくそうじ』『福ふく恋の兵法』など。芸者時代の経験を生かして、女性の美しさや男女のコミュニケーションなどの講演も行っている。一児の母



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