illustration: Yu Fukagawa

《お多福美人講座》美人の賞味期限


 このところ、50代の美人(雰囲気だけでなく、顔のつくりも正統派美人)に二人、立て続けに会いました。

 若い頃の私は、「やっぱり美人は得よね〜」と美人を妬ましく思うことも度々ありました。ところが、「若い美人」が「若くない美人」になると特別扱いされなくなったり、年配で人気のあるお姉さんが「美人」というカテゴリーとは違うことが多いのを見て、「美人の若い頃はおみくじの大吉と同じでそこが絶頂」とか、「平凡な顔の方が自分の道を見つけやすい」などと思うようになっていました。でも、お二人との出会いで、その考えを反省することに。

 お二人が若い頃、世はバブル。今のように、ジェンダーについて語られることも、#metoo運動もなく、女性の若さや美しさが高級外車と同じステータスに並ぶ時代。「これぐらいしてもらって当たり前」という気持ちを捨てられず、どんどん険しい顔になっていった女性も少なくないはずです。

 そんな中で、恵まれた境遇を当たり前とせず、感謝し、それらを活かして人生を切り拓いたお二人の共通点は、誠実で努力家であること。また、「私は世の中を知っている」というような態度ではなく、常に学ぼうという姿勢をもたれていることでした。若さや造作を超えた「美しさ」を手に入れた人には、みな備わっている共通点だと思います。不遜な態度や「楽して得しよう」という考えでは、どんな人も美しく歳を重ねられません。「若さや顔の美しさ」という物差しで計られたくないと思っていた自分自身が、同じ物差しを使っていたのです。大事なのは、自分がどんな気持ちで、何を求めて生きるかだと目が覚めました。

 おみくじでは、大吉の上に大大吉があるそうです。おみくじによく書かれているように、感謝の心を忘れず精進すれば、末吉と思っていたものが、実は大吉だったり、大吉が大大吉になったりするのかもしれません。

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