illustration: Yu Fukagawa

想いと言葉と行いと《お多福美人講座》


 ドラマなどで、お客様の前ではお世辞を言って、陰では「あのハゲ!」などと言うシーンを見ることがあります。実際、そういうこともあるでしょうが、私は芸者時代、心にもないお世辞は言わないようにしていました。自分が人から褒められたときに、その言葉を信じられなくなるのが嫌だったのと、思ってもないことを言うのは疲れるというのが理由です。

 しかし、お世辞以外のことでは、想いと言葉と行動が一致しないことがたびたびありました。すごいと思われたくて本当は興味のないことを好きと言ったり、悪口を言われないためにやりたくないことをやったり、お礼を言いながらたいして感謝していなかったり…。でも、そういうことを続けると、想像以上にエネルギーを消耗して、精神状態や人間関係をかえって悪くするなぁと徐々にわかってきました。

 組織などでは自分の本心が言えないことや、嫌々ながらもしなくてはいけないことも出てきます。でもその環境の中で、できるだけ自分の気持ちも相手の気持ちも大切にしながら、言い方などに配慮しつつ、自分が本当に望んでいることを伝えていく。やるべきこととやりたいことを近づけていく。人からすごいと言われるかどうかではなく、自分の心が本当に動くことをする。お礼をメールなどで伝えるときには、形式的なことに気を取られて、上っ面だけの言葉にならないように、そこに感謝の気持ちを感じながら書く、などなど。そういうことをしていくと、自分の中に力や、自分自身を信じる気持ちが湧いてきます。そして、思わぬ導きを得て、気づけば望む方向へと進んでいたということが増えてきます。

 まずは自分の本心を大切にしながら、人からの評価に自分の価値を委ねず、想いと言葉と行いを一致させる。今年はますますそのことを意識しながら過ごしていきたいと思っています。

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