鏡リュウジさん

《PRO-FILE》プロフェッショナルの肖像 鏡リュウジ

BOOK, CULTURE

 1月号から始まった連載「12星座占い」が人気の占星術研究家・鏡リュウジ。数々の著書、メディアで活躍する彼が、占いに興味を持ち始めたのは、なんと10歳頃だったという。

 「僕が子ども時代を過ごした70年代って、いわゆるオカルトブームだったんです。ユリ・ゲラーが来日したり、映画『エクソシスト』が公開されたり。タロットや占星術も流行り始めて、そういう”あやしいもの”に惹かれていきました。80年代には荒俣宏氏編集の『世界神秘学事典』とか、国書刊行会からイギリスの魔術の専門書が出たりとタイミングがよくて、その流れに巻き込まれていった感じですね」

 高校生の頃には、雑誌で占星術の連載を持っていたという。その後、大学入学とともに上京。日本を代表する占星術家への道を歩んでいく。彼の占いの特徴は、ユング心理学のアプローチを取り入れていること。

 「ユング心理学は、深層心理学といわれています。ユングのいう”集合的無意識”は、人間の本能的な部分で、誰にも教えられていないのに存在している元型のこと。世界中の神話が似ているのは、ユングが言うにはこの集合的無意識を反映しているからなんです。占星術で考えると、個人が持っている星の配置は違う。でも、星空を共有しているという構造は同じですよね。ユング心理学って、内面化された占星術なんです」

 鏡リュウジの占いが女性たちに支持されているのは、そのやわらかな語り口と、優しく背中を押してくれる文章があってこそ。彼は、太古の昔から存在している星の物語を伝えてくれる伝道師なのかも……。

 「占いは、まずエンタメとして楽しんでほしいと思います。次に、自分を振り返るきっかけになればいいですね。占いは”当たっていない”と思ったときが面白いんですよ。そういうときは、自分の中に認めたくない自分がいるのかもしれません」

 当たる/当たらないという単純な視点だけで読むのは、ちょっともったいない。新しい気づきや、自分の世界を広げるためにも、占いは役立ちそうだ。


かがみ りゅうじ

1968年3月2日、京都生まれ。心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介し、従来の「占い」のイメージを一新。占星術の歴史にも造詣が深い。『占星綺想』(青土社)、『占星術夜話』(説話社)など著書多数


占星術の文化誌

著:鏡リュウジ

2800円 原書房

西洋文化の中で、占星術がどのように根付いているのか、文学・美術・音楽・心理学・医術・メディアといった切り口で、その広がりを解説した一冊。占星術をもっと深く知りたい人はチェック!


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