illustration: Haruka Toshimitsu text: Keiko Ageishi

ストレスが多いと円形脱毛症になるの?《働くオンナの救Q箱》


円形脱毛症はストレスによって起こるというイメージがありますが、
じつは免疫の誤作動によって起こる病気です。悩む前に、専門医に相談を!

Q1.円形脱毛症とは、どのような病気ですか?

 円形脱毛症とは、コインのように円形に毛髪が脱けてしまう病気です。円形脱毛が1つできる場合もあれば、いくつかできる場合もあり、個人差があります。数が多くなれば患部がつながって頭髪全体が抜け、さらに悪化すれば、眉毛や睫毛、体毛が抜けることも。単なる抜け毛とは明らかに違い、バサッと一気に抜けるのが特徴で、驚いて来院する方が多く見られます。爪と髪の性質は似ているため、爪にでこぼこした症状が現れることもあります。

Q2.原因はなんでしょうか?

 体の中には、ウイルスなどの有害物を排除する「免疫」が備わっています。円形脱毛症は、その免疫が誤作動を起こす「自己免疫疾患」です。免疫が自分自身の髪の毛のタンパク質を有害物ととらえ、排除してしまうのです。自己免疫疾患となる原因はわかっていませんが、遺伝的なものやアレルギー体質から発症しやすいというデータがあります。ストレスと結びつけられがちですが、ストレスとの関連性は証明されていません。

Q3.放置しても大丈夫ですか?

 気にならない程度なら、様子を見ているうちに自然治癒することもしばしばあります。一方、症状が重くなれば治りにくくなってしまうため、何カ所も抜けるようなら、早めに皮膚科を受診してください。髪の毛が抜ける症状には、男性型脱毛、瘢痕(はんこん)性脱毛(毛穴自体がなくなる病気)、薬の副作用や急激なダイエットによる脱毛など、さまざまあって区別しにくいものです。まずは皮膚科専門医の診断を受け、原因を特定することが大切です。

Q4.治療法には、どんなものがありますか?

 免疫が悪さをする自己免疫疾患に対しては、患部の免疫を落とす治療をします。具体的には、患部にステロイドの塗り薬を塗ります。それでうまくいかなければ、ステロイド注射を打つ方法も。脱毛の範囲が頭皮の4分の1以上になるようならば、局所免疫療法を行います。これは頭皮を薬剤によって一時的にかぶれさせ、毛を壊してしまう細胞を減らす療法です。ほかにも紫外線療法がありますが、いずれも免疫を抑える治療法です。

Q5.予防のためにできる対策はありますか?

 円形脱毛症のような自己免疫疾患には、いまのところ明確な予防法はありません。しかし脳の機能と免疫はつながっているため、脳を消耗させるストレスが免疫の働きに異常をきたす可能性は、十分にあるでしょう。ストレスが原因という科学的根拠はないものの、ストレスを減らすに越したことはないと思います。万が一、発症したとしても、いまはウィッグや、長期治療を精神的にサポートする心療内科もあるので、過剰に怖がる必要はありません。

監修:原田 和俊 先生

東京医科大学病院
皮膚科 診療科長・主任教授
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/





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