近ごろ、アイドルなどの著名人が患っていると公表したことでも話題の「パニック障害」。誰もがかかり得る病気について、まずは知ることから始めよう。
Q1.そもそも、パニック障害とは?
パニック障害は、まず「パニック発作」と呼ばれる症状からスタートします。その症状は、激しい動悸や息苦しさ、めまい、吐き気など。さらに、「このまま死んでしまうかもしれない」と思うほどの強い恐怖心にもおそわれます。この発作は、“ ある日突然、何の予兆もなく”起きることが特徴です。多くの場合は発症してから数分でピークを迎え、30分前後で収まります。その後も突発的にパニック発作を繰り返し、さまざまな症状が引き起こされてしまう病気を「パニック障害」と呼びます。
Q2.ほかにはどんな症状があるの?
パニック発作が繰り返されることで、「また発作が起こるのではないか」と常に不安や恐怖心がつきまとう「予期不安」や、以前発作を起こした場所や、公共交通機関の乗り物など、すぐに逃げ出せない・助けを求められない状況を避けるようになる「広場恐怖」などの症状も表れます。また、これらの症状が引き金となり、うつ病を併発することも。不安定な精神状態や行動の制限によって、パニック障害になった約半数の人がうつ病を発症しているのです。
監修:貝谷久宣 先生
医学博士
心療内科・神経科赤坂クリニック 理事長