Illustration: Haruka Toshimitsu Text: Mayuko Yago

顎関節症ってどんな病気? - 後編《働くオンナの救Q箱》


 口の開閉に違和感があったら「顎関節症」かも!?お家でセルフケアもできる病気なので、まずは正しい知識を得て、焦らずじっくり向き合おう。
 

Q3.検査や診断の方法は?

 顎関節症の診断は、患者へのアンケートや問診、X線検査、筋圧痛検査、関節痛誘発検査などのほか、ごくまれにMRI検査を行い、同じような症状が出ることがある別の病気の可能性も考慮したうえで行います。顎関節症の場合、考えられる原因や自覚症状の内容などに対して多面的な治療をする必要があるので、病院を受診する際には、気になることをアンケートや問診で医師にしっかり伝えましょう。

Q4.どんな治療法があるの?

 現在、安全性が高い治療法として推奨されているのは理学療法です。指や道具による咀嚼筋マッサージ、ホットパックで患部を温める温おんあんほう罨法などが挙げられます。また、家庭でも治療が行えるよう、セルフケアプログラムや開口訓練の指導も医師がしてくれます。マウスピース療法が行われることもありますが、長期間使用すると、かみ合わせがずれるリスクも生じると考えられているため、治療開始から2週間経過しても改善が見られない場合は、別の方法を検討することも必要です。

Q5.日常的にできる対策は?

 顎関節症の改善や予防には、家庭での日常的なセルフケアが効果的です。具体的には、顎や首、肩のストレッチやマッサージを、安全を確認しながら、少し痛みを感じる程度の強さで行います。ある程度の負荷をかけることが細胞の活性化につながり、症状の改善を早めます。自分自身で十分なセルフケアができているなら、特定の食べ物や行動などを禁止・制限する必要はありません。生活の質を落とすことなく、改善・予防が可能です。

 

監修:原 節宏 先生

日本歯科大学生命歯学部・日本歯科大学附属病院 総合診療科 准教授
顎関節症診療センター センター長
歯学博士

http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp


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