左から高橋 駿、谷本 歩実、松本 泰介、原 晋、文田 健一郎、伊藤 弘一(敬称略)

アスリートを守り、競技に集中できる環境をー動き出した「RESPECTion!」  


共同代表らが発表会見で活動指針を宣言

 アスリートへの誹謗中傷やハラスメントが深刻な社会問題となる中、選手を守り、新たな応援文化を醸成するプロジェクト「RESPECTion!(リスペクション)~アスリートのために私たちができるActionを~」が始動した。これに先立ち、3月26日、都内において本プロジェクト共同代表の原晋や松本泰介らが発表会見を開催。活動指針となる「RESPECTion! 宣言」を公表し、アスリートが安心して競技に打ち込める環境づくりへ第一歩を踏み出した 。


アスリートの尊厳を脅かす見えない「刃」

 都内で開かれた発表会見の場には「RESPECTion! 推進委員会」のメンバーが顔を揃えた。共同代表の原は「スポーツ界からよりよい社会への発信を」と語り、推進委員の谷本歩実は「頑張る人を応援するプロジェクトに」との言葉を寄せ、新たな応援文化の醸成を呼びかけた。

 近年、スポーツ界では、SNSでの誹謗中傷や容姿への批判、女性アスリートに対する不適切な撮影や画像、動画の拡散など、見過ごせない問題が広がっている。ミラノ・コルティナ五輪ではJOCが約1900件の削除申請を行うなど、言葉の暴力は深刻化している。2025年のスポーツ基本法改正で「アスリートを守る取り組み」が法律上明文化されたが、真の解決には〝新たな応援文化〟の基盤づくりが不可欠である。

 スポーツには人の心を動かす力がある。懸命に挑む姿に励まされたり、誰かの一歩に自分を重ねたりすることもある。だからこそ私たちは、競技の瞬間だけでなく、舞台に立つアスリート一人ひとりの努力や背景に、もっと想像力を働かせる必要があるのかもしれない。


「負を消し、正を創る」2つのアクション

 こうした時代の混迷を受け、実効性のあるムーブメントとして始動したのが「RESPECTion!」だ。本プロジェクトは、共同代表の原や弁護士の松本ら、現役アスリート、競技団体、メディアが「三位一体」となった推進体制を最大の特徴とする。

 その活動の柱は、大きく分けて2つ。第一に、暴力やハラスメントを根絶し、容姿やミスを責めない姿勢を啓発する「マイナスをゼロにする」活動。第二に、競技に至る努力の過程に光を当て、応援の力を数値や行動で可視化する「プラスをつくる」活動だ。単に「中傷をしない」という守りの姿勢に留まらず、努力の過程や挑戦そのものに敬意を向ける、前向きな応援文化を創出していくことがプロジェクトの核心と言える。

 勝敗や結果だけで語らない。投稿する前に少しだけ立ち止まる。応援をもっとあたたかく、未来を照らす力に変えていく。プロジェクトは、スポーツ界から社会全体へ、そうした価値観の更新を呼びかけている。


リスペクトを「文化」へと定着させる

 今年の年間テーマは「気づく」に設定された。10月に制定される「RESPECTion! ウイーク」では、次世代へ敬意の心を育む
「RESPECTion! カップ」や、トップアスリートの凄さを体感できるフェスティバルなどの開催が予定されている。さらに、選手の背景を物語る「メッセージ」や「フォト」の発信を通じ、「SNSでの誹謗中傷は時代遅れ」という認識を幅広い世代に定着させていく計画だ。

 これらは、本来あるべき人と人との「リスペクト」の形に他ならない。勝敗という結果だけでなく、その裏側にある物語そのものに敬意を向ける。そのあたたかな視線こそ、アスリートが誇りを持って輝き続けられる未来を創る確かな力になるであろう。スポーツ界から社会全体へ。「RESPECTion!」が呼びかけるリスペクトの連鎖は、今を生きる私たち一人ひとりの「行動(ACTION)」から始まるであろう。


◆RESPECTion!(リスペクション)とは

『RESPECT』と『ACTION』を組み合わせた造語。「アスリートへの尊敬の念を行動に移そう」という思いが込められている。

公式サイト
https://respection.jp/


https://x.com/respection2026

Instagram
https://www.instagram.com/respection2026_2028/


RESPECTion!宣言

RESPECTをカルチャーへ
心からの応援がチカラに
アスリートの先に人間がいる
チャレンジする姿勢にエールを
社会を変えるACTIONに


RESPECTion!推進委員からのメッセージ

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原 晋
青山学院大学陸上競技部長距離監督

 勝負の世界に身を置くアスリートにとって、皆様の応援は何よりの力になります。しかし、心ない言葉がその挑戦を阻むことがあってはなりません。失敗を責めるのではなく、不屈の精神に敬意を払い、共に高め合う駅伝のような熱いリスペクト文化を全国に広げたいと思っています。応援の力で社会を明るく変えていきましょう!

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松本 泰介
早稲田大学スポーツ科学学術院教授・弁護士

 SNS上での誹謗中傷やさまざまなハラスメント事案に接し、大きな困難を感じています。経済の長期停滞、将来への不安など、時代の閉塞感もあるのかもしれません。このような閉塞感を打破するための一つのキーワードが「リスペクト」ではないかと考えています。皆さまのリスペクトが日本社会発展の大きな力につながることを願っています。

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谷本 歩実
柔道元日本代表

 いつもアスリートへの温かい応援、ありがとうございます。アスリートにとって応援はチカラになります。一方で、心無い言葉はアスリートのパフォーマンスに大きく影響を及ぼしてしまいます。新たなプロジェクトを通して応援文化を醸成し、お互いが支えあう社会を作っていきたいと思っています。一緒にアスリートを応援しましょう。

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寺川 綾
ミズノ株式会社、競泳元日本代表

 アスリートを取り巻く環境は、自分自身が現役の頃と比べると大きく変化しているように感じます。SNS等を通じてアスリートが身近に感じられるようになった一方で、直接届く誹謗中傷も増えているのが現状です。いろんなことが便利になっている世の中だからこそ、そのさまざまなルーツを良い方向に向けて、心から応援できるよう、リスペクト、そしてアクションの輪を広げていきましょう。


RESPECTion!アスリートからのメッセージ

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杉原 愛子
TRyAS(体操)

 私は体操を通して、挑戦することの大切さや、支えてくださる方への感謝をたくさん感じ、学んできました。だからこそ、アスリートの努力や挑戦がリスペクトされる社会であってほしいし、選手が安心して競技に向き合える環境を作ることが大切だと思っています。リスペクションの活動を通して、スポーツの価値や互いを尊重する気持ちが広がっていくことを願い、この取り組みに賛同しました。

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文田 健一郎
ミキハウス(レスリング)

 アスリートとして競技の結果にさまざまな声があるのは理解していますが、誹謗中傷はあってはならないものだと思います。アスリートかどうかにかかわらず、誰かを傷つける言葉を向けてしまう人が生まれてしまう社会自体に課題があるとも感じています。互いを尊重し、思いやりの言葉が当たり前に交わされる社会になってほしいです。


今後の活動スケジュール

年間テーマ「気づく」

【2026年3月】RESPECTion!宣言
・ロゴマーク発表
・メインビジュアル公開
・公式SNS開設
・公式HPオープン

【6月】サッカーW杯
・RESPECTion!メッセージ
・RESPECTion!フォト

【9月】アジア大会
・RESPECTion!メッセージ
・RESPECTion!フォト

【10月】RESPECTion!ウイーク
・RESPECTion!カップ
・RESPECTion!シンポジウム
・RESPECTion!フェス

【2027年1月】箱根駅伝、大阪国際女子マラソン
・RESPECTion!メッセージ
・RESPECTion!フォト

【4月以降】ワールドマスターズゲームズ2027関西
・RESPECTion!メッセージ
・RESPECTion!フォト

※状況により変更となる場合があります


◎共同代表/原晋(青山学院大学陸上競技部長距離監督)、松本泰介(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・弁護士)
◎スーパーバイザー/栗山英樹(北海道日本ハムファイターズCBO)
◎推進委員/谷本歩実(柔道元日本代表)、寺川綾(ミズノ株式会社、競泳元日本代表)、來田享子(中京大学教授)、高橋駿(COAS代表)、岩田史昭(日本スポーツ協会常務理事兼事務局長)、伊藤弘一(日本オリンピック委員会理事兼事務局長)
◎RESPECTion!アスリート/杉原愛子(TRyAS)、羽根田卓也(ミキハウス)、文田健一郎(ミキハウス)、樋口黎(ミキハウス)

〈主催〉RESPECTion!推進委員会
〈後援〉スポーツ庁、一般社団法人 日本経済団体連合会、公益社団法人 関西経済連合会





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