《記念撮影》 アクリルグワッシュ、キャンバス 2017年 個人蔵 © Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery photo:高橋健治

《初台》いまもっとも注目される画家 五木田智央の展覧会、開催中


 イラストレーションから出発し、1960~70年代におけるアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンドの雑誌や写真にインスピレーションを得た作品を発表してきた五木田智央氏の個展「五木田智央 PEEKABOO」が6月24日まで、新宿区西新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています。

 黒と白のモノクロームを基調とした五木田氏の作品には、計算されたグラデーションや陰影が生み出す、規格外のクールな雰囲気とファッショナブルな魅力がいっぱい。シンプルな描線(びょうせん)とデフォルメされた歪(いびつ)な造形のコントラストが醸し出すユーモアやノスタルジー、具象と抽象の間を自由に行き来するイメージの両義性など、実に多様な表現の可能性を発散しています。

 本展のメインヴィジュアルである《Come Play with Me》は、五木田氏がこの展覧会のために描き上げた新作。批評家で編集者の松村正人氏は、「縦254×横194cmのキャンバスの画面いっぱいに(五木田氏が)描いた女性像は媚態を演じながらこちらを誘うが目は死んだ魚のようなので気は抜けない」「空間を包摂するような画面のなかの人物の存在感は、(略)観るものをひきこむところがある」と評しています。

《Come Play with Me》アクリルグワッシュ、キャンバス 2018年 © Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery photo:高橋健治


 会場には、新作の絵画、ドローイングを中心に、近年の代表作や、五木田氏が3日間をかけ、800点以上のドローイングの小品を集めて展示した大規模なインスタレーションなど36作品を展示。その半数は、今年に入ってからの約2カ月という短期間に描かれたもので、五木田氏の精力的な制作活動をつぶさに伝えるとともに、彼が追及する最新の絵画のエッセンスが凝縮されています。

《妖怪のような植物》アクリルグワッシュ、キャンバス 2017年 川崎祐一氏蔵 © Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery photo:高橋健治


《Untitled》ミクストメディア 2014-15年 Anzai Art Office, Inc.蔵 © Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery photo:高橋健治


 また、最後のエリアでは、大のプロレスファンである五木田氏がこよなく愛するレスラーを、レコードジャケットのフォーマットに描いた全225点の《Gokita Records》を見ることができます。

 いまもっとも注目される画家がつくり出す独創的な空間に、ひたってみはいかがでしょうか。


五木田智央 PEEKABOO

会期:2018年6月24日(日)まで

会場:東京オペラシティ アートギャラリー(新宿区西新宿3-20-2)

開館時間:11:00~19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前)

休館日:月曜日

入場料:一般1200円/大・高校生800円/中学生以下 無料

五木田展特設サイト http://www.operacity.jp/ag/exh208/



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